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ペアローンのせいで離婚できない?トラブルを防ぐための対策を解説

更新日 2025-10-22

瀧 基洋

記事監修者

瀧 基洋

バブル崩壊を経験し、住宅販売・仲介・開発に従事。
事業破綻による住宅ローン問題を機に任意売却に注力し、返済相談を支援。

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「ペアローンがあると離婚できない」「離婚するとペアローンはどうなるのだろうか」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。ペアローンを組んでいるため、離婚に踏み切れない方は少なくありません。

法律上、ペアローンがあっても離婚は成立します。ただし、ローンの整理をしないまま離婚してしまうと、トラブルに発展しかねません。

この記事では、ペアローンに対する誤解や離婚するための方法を解説します。また、トラブルを防ぐための対処法も紹介します。ペアローンがあって離婚に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ペアローンがあっても離婚できる!基本的な仕組みを解説

ペアローンが組まれていても、夫婦間の合意があれば離婚は可能です。法律上、ローンの存在は離婚の成立を妨げません。

ペアローンとは、自宅を購入する際に、夫婦それぞれが住宅ローンを契約します。また、お互いの連帯保証人になるケースが一般的です。

ペアローンには次のような金銭的な利点があります

  • 夫婦2人の収入を合算して審査されるため、多くの金額を借り入れできる
  • 夫婦それぞれが団体信用生命保険や住宅ローン控除を利用できる

単独でローンを組むよりも金銭的なメリットが大きく、利用する夫婦が増加傾向です。しかし、離婚する際には、ペアローンの仕組みがデメリットとして影響します。

  • 財産分与として不動産とローンをどうするか
  • 離婚後も住宅ローンの返済義務が残る

離婚後に相手と連絡が取れなくなると、返済トラブルなどの問題が生じるリスクがあります。

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「ペアローンがあると離婚できない」と誤解される4つの理由

ペアローンを組んでいると、離婚できないと誤解されやすい理由は、次の4つです。

  • 離婚を理由としたペアローンの名義変更はできない
  • 離婚後も返済義務が残る
  • 財産分与が難しくなる
  • 売却は相手の同意が必要になる

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

離婚を理由としたペアローンの名義変更はできない

離婚を理由にペアローンの名義をどちらか一方へ変更はできません。銀行がペアローンを審査する際に、金融機関は夫婦2人の収入と返済能力から判断しているためです。

単独名義に変更したい場合は、単独で離婚時点のローン全額を引き受けられるかどうか、新たな審査が必要です。審査に通らなければ、売却して返済するなど別の方法を検討しましょう。

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離婚後も返済義務が残る

離婚によって夫婦関係が解消しても、ペアローン契約は解消されません。契約は残るため、夫婦それぞれの返済義務は継続します。

ペアローンはお互いが連帯保証人であるため、一方が返済を滞納すれば、もう一方が相手の分も含めて全額を支払うよう求められます。

何も決めないで離婚すると、家を出ていく側は新居での家賃があるため、支払負担が重くなりかねません。離婚時にペアローンの返済を継続するか、売却や借り換えにより完済するか方向性を決め、合意しておきましょう。

財産分与が難しくなる

ペアローンが残る自宅は、離婚時の財産分与が難しくなります。家という資産と、ローンという負債が混在するため、単純に分割できません。

財産分与をスムーズに進めるには、住宅の評価額とローン残高を次の方法で把握します。

  • 専門家による査定額
  • 残高証明書によるローン残高

把握した数字を元に話し合って合意する必要があります。

売却は相手の同意が必要になる

ペアローンで購入した不動産の所有者は、夫婦での共有名義が一般的です。共有名義の不動産売却は、名義人全員の同意が必要であると法律で定められています。

離婚時に家を売却してペアローンを完済しようとしても、元配偶者の同意がなければ売却できません。離婚前の話し合いで同意が得られないと、家を処分できずにローンだけが残ります。

離婚後に元配偶者と連絡が取れなくなると、不動産の処分が不可能になってしまいます。離婚時のローン完済と離婚後のトラブル防止のためには、事前に売却の合意が重要です。

ペアローンがあっても離婚できる4つの方法

離婚時にペアローンを清算するための代表的な対処法は、次の4つになります。

  • 住宅ローンを一本化して住み続ける
  • 住宅を売却してローンを完済する
  • 離婚後も共同名義で支払い続ける
  • 任意売却する

それぞれのメリットとデメリットを理解し、状況に合う方法を見つけましょう。

住宅ローンを一本化して住み続ける

夫婦のどちらかが家に住み続ける場合、ローンを単独名義に一本化する方法があります。経済的に余裕のある側が、ペアローンの残債全額を引き受ける形です。

具体的には、2つの方法があります。

  • 借りている銀行に債務引受を相談する
  • 他行の住宅ローンで借り換えを行う

いずれの場合も、単独でローン全額を返済できるかどうか審査が必要です。審査を通過できると、元配偶者を連帯保証人から外せ、経済的な関係が完全に断ち切れます。

住宅を売却してローンを完済する

離婚前に自宅を売却し、売却代金でペアローンを完済する方法です。夫婦それぞれの返済義務と連帯保証人の立場が同時に解消されるため、離婚後の返済トラブルもなくなります。

自宅の売却では、売却額とローン残高の関係によって対応が異なります。

  • 売却額がローン残高を上回るアンダーローン:完済後に残った利益は財産分与の対象
  • 売却額がローン残高を下回るオーバーローン:不足分は自己資金などで補填

ただし、共有名義の売却には夫婦間それぞれの合意が必要になるため、事前の話し合いが重要です

離婚後も共同名義で支払い続ける

ペアローン契約を維持し、継続して返済する方法もありますが、離婚後のトラブルにつながるリスクがあります。

離婚後に見込まれるリスクは、以下のとおりです。

  • 元配偶者が返済を滞納した場合、連帯保証人として相手の分も含めた返済を求められる
  • 将来的に家を売りたくなった際に、共有名義である相手の同意がなければ売却できない

やむを得ずこ選ぶ際は、返済分担や将来の売却について、法的な拘束力を持つ公正証書の作成が有効な対応策です。

任意売却する

任意売却は、債権者すべての同意を得たうえで、オーバーローンの不動産を売却して残りを返済していく手段です。

任意売却は裁判所から強制的に売却される競売と比べて、以下のメリットがあります。

項目 任意売却 競売
売却価格 市場価格の8〜9割 市場価格の6〜7割
残債の返済 分割返済で交渉可能 一括返済を求められる

ただし、任意売却は返済を滞納している状況が前提となるため、今後の信用情報に影響が出ます。専門的な交渉が必要となるため、早期に専門家へ相談しましょう。

離婚時のトラブルを避ける3つのポイント

ペアローンが関係する離婚はトラブルになりがちです。将来のトラブルを未然に防ぐために、重要な3つのポイントを解説します。

  • 価格が高すぎる物件を購入しない
  • 計画的に貯蓄をしておく
  • 早めに専門家へ相談する

それぞれの内容を見ていきましょう。

価格が高すぎる物件を購入しない

ペアローンで自宅を購入する際には、高価な物件を選ばないようにしましょう。ペアローンは2人分の収入で審査するため、借入可能額が大きくなり、高価な物件を選びがちです。

借入額が大きすぎると、離婚時に影響が生じます。

  • 単独でローンを一本化するハードルが高くなる
  • オーバーローンに陥りやすくなる

借入額いっぱいまで借り入れするのではなく、夫婦どちらか一方の収入でも返済し続けられるかという視点が重要です。無理のない借入額に抑えることが将来のリスク軽減につながります。

計画的に貯蓄をしておく

万が一に備えた計画的な貯蓄が重要です。購入前から貯蓄しておけば、自己資金により借入額自体を減らせるため、オーバーローンのリスクが抑えられます。また、離婚時に貯蓄があれば、財産分与の選択肢が広がります。

例えば、オーバーローンで売却した際の不足分を補填したり、家に住み続ける側が相手の持分を買い取るための資金として支払ったりできるでしょう。

離婚に備える人は少ないですが、不測の事態に対応できる資金的な余裕が、円満な解決を助けてくれます。

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早めに専門家へ相談する

ペアローンが関わる離婚問題は専門的な知識が必要になるため、できるだけ早い段階で専門家に相談しましょう。

主な相談先は以下のとおりです。

  • 弁護士;離婚協議や財産分与といった法的手続きの専門家
  • 不動産会社:自宅の査定や売却方法についての助言
  • 任意売却の専門機関:ローン返済が困難な場合の具体的な解決策を提案

自分の状況に合った最適な解決策を提案してもらえます。

ペアローンがあっても離婚したいときによくある質問

ペアローンがある離婚では、普段考えないような複雑な疑問が生じがちです。ここでは、ペアローンを組んだまま離婚を検討する際によく寄せられる質問を3つ取り上げます。

事前に知識を得ておくことで、万が一の事態にも冷静に対処できるでしょう。

ペアローンでどちらか一方が離婚後に自己破産するとどうなる?

お互いが相手の連帯保証人になっているため、残された元配偶者がローンの全額返済を求められます

自己破産が認められると、自己破産が認められると、本人の返済義務は免除されます。ただし、銀行との契約が消えるわけではありません。連帯保証人である元配偶者へ残ったローン全額の返済が請求されます。

2人分のローンを1人で背負うため、返済負担が重くのしかかるでしょう。

ペアローンから単独ローンに借り換えるとき贈与税の対象?

状況によりますが、贈与税の対象となる可能性があります。借り換えによるローンの一本化に伴い、不動産の持分を相手から譲り受ける際、対価の有無によって贈与税が課されます。

税務は複雑なため、必ず税理士や税務署へ相談しましょう。

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ペアローンを一本化するとき新しい連帯保証人は必要?

必ずではありませんが、銀行から求められる場合があります。ローンの一本化の審査で最も重視されるのは、単独の返済能力です。

収入や勤務先が安定しており、1人でも十分に返済していけると判断すれば、連帯保証人なしで審査に通る可能性もあります。

しかし、単独での返済能力に少しでも不安があると判断された場合、審査を通すための条件として、両親など別の連帯保証人を求められるでしょう。

ペアローンを契約したまま離婚した後に任意売却を選択し再出発に成功された事例(当協会のご相談者様)

実際に当協会へご相談され、任意売却によって再出発に成功されたA様の事例をご紹介します。

A様は元奥様とのペアローンで新築マンションを購入し、お子様2人と暮らしていました。しかし、購入から3年後、生活費の考え方の違いなどから離婚が成立しました。

離婚後、A様は2人のお子様とマンションに住み続けながら返済を始めましたが、収入が1人分となったことで管理費や修繕積立金を滞納してしまいます。ついに住宅ローンも滞納し、精神的にも限界を感じて当協会へご相談となりました。

A様の状況から支払い継続は困難と判断し、早期の任意売却をご提案いたしました。銀行と合意し、希望価格で販売を進めました。購入者が現れず、当社の査定価格へ調整した直後、購入希望者が現れて売却が成立しました。

下記にて、上記事例の詳細をご紹介しています。

ペアローンで購入した新築マンション 離婚・子育て・ローン滞納を乗り越えた任意売却の道

まとめ:まずは早めにご相談を

ペアローンを組んでいても離婚は法律上可能ですが、ローンを放置すると、将来的に返済トラブルを招くリスクが高くなります。

トラブルを避けるため、離婚時にペアローンの解決方法についての合意が欠かせません。この記事では4つの解決方法を紹介しました。

  • 自宅を売却して完済
  • ローンの一本化
  • ペアローンの継続返済
  • 任意売却

収入の状況や離婚時の関係に応じた現実的な判断が求められます。ペアローンが絡む離婚問題は、当事者だけで解決するのが難しい問題です。最適な解決策を見出すためにも、できるだけ早い段階で専門家へ相談しましょう。

当サイトを運営する一般社団法人全国任意売却協会では、住宅ローンの返済にお悩みの方へ無料相談を承っています。専門スタッフが状況にあった最善の解決策をご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。

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