任意売却の価格はどう決まるのか?相場よりも安くなる理由を解説!
更新日 2025-04-11
任意売却で家を売却する場合、その売却価格は通常相場の8~9割となります。
また、任意売却ができず競売にかけられてしまった場合、通常相場の6~7割と、さらに売却価格は低くなってしまいます。
では、そもそも任意売却の価格は、どのように決まるのでしょうか?
そこで、本記事では任意売却の価格がどのように決まるのか、通常売却・通常相場よりも安くなってしまう理由、任意売却を成功するためのポイントを解説いたします。
任意売却の価格相場と競売との差額
任意売却の価格相場を競売の価格相場と比較しながら説明いたします。
また、競売が任意売却よりも安くなる理由も解説します。
任意売却は通常相場の8割〜9割
任意売却は通常相場に近しい価格での売却を見込むことができます。具体的には、通常売却の8割~9割となることが多いです。
なぜなら、任意売却は通常の売却とほとんど同様の方法で売却を進めることになるためです。
ただし、売却価格を決める際には債権者(金融機関)の同意が必要といった点や、売却に期限がある点には注意しなければなりません。
競売は通常相場の6割〜7割
一方で、競売は通常売却の6割~7割となることが多いです。
競売では、任意売却や通常売却のように不動産会社が広告を出して問い合わせのあった方を案内し売買契約する流れではなく、購入希望者による入札形式で新しい所有者・売却価格が決まります。
競売が任意売却よりも安くなる理由
前述の通り、競売は通常売却の6割~7割と相場よりも安くなってしまいます。場合によっては、相場の半額以下になってしまうこともあります。
では、なぜ競売は任意売却よりも売却価格が安くなってしまうのでしょうか?
競売が任意売却よりもさらに売却価格が安くなってしまう理由として以下のようなことがあげられます。
- 内覧できない
- 自分で立ち退き交渉する必要がある
- 建物に不具合があっても保証がない
- 住宅ローンを組めないケースがある
上記のように、競売では買主側にとって不利な条件となることが多く、その分相場より安い価格での売却となってしまうのです。
任意売却の価格はどう決まる?
ここでは、任意売却の価格がどのように決まるのか見ていきましょう。
結論、任意売却は通常売却とほとんど同じ方法で売却を進めていくことができますが、売却価格を自由に決めることができません。
任意売却は債権者(金融機関)と交渉しながら売却を進めていく必要があり、売却価格も債権者(金融機関)の合意を得る必要があるのです。
任意売却が通常売却よりも安くなってしまう3つの理由
任意売却は通常価格に近しい価格での売却を見込めますが、以下のような理由から、通常売却より価格が安くなってしまいます。
- 1.任意売却には期限があるため
- 2.現状のまま売却する必要があるため
- 3.瑕疵担保責任が免責となるため
それぞれの理由を見ていきましょう。
1.任意売却には期限があるため
1つ目の理由は任意売却の期限に関するものです。
任意売却は競売が開始するまでに売却を完了する必要があります。
このため、期間内に買主を見つける必要があり、相場より安い価格で売り出したり、値引き交渉に応じたりしなければならないことが多いのです。
2.現状のまま売却する必要があるため
2つ目の理由は売却時の家の状態に関するものです。
通常売却であれば、売却前に、必要に応じてハウスクリーニングやリフォームを実施してから売却することが多いです。
一方、任意売却はそうした費用を捻出することが難しいため、現況有姿(そのままの状態)で売却することが多くなっています。
3.瑕疵担保責任が免責となるため
3つ目の理由は売却時の契約に関するものです。
任意売却は原則、瑕疵担保責任を免責としたうえで売買契約を締結します。
瑕疵担保責任とは、売却する不動産に何らかの瑕疵(欠陥)があった場合に、売主が買主に対して責任を負う必要があるもので、通常の売却では瑕疵担保責任を負う期間を設定します。
任意売却では、この責任を免責とする分、買主としては物件の購入にリスクがあるため、売却価格が安くなってしまうのです。
なお、瑕疵担保責任は法改正により契約不適合責任となっています。
契約不適合責任では、契約書の内容と実際の物件に不適合がある場合、売主から買主に対して責任を負う必要がありますが、任意売却では売買契約書に契約不適合責任免責の条件をつけます。
任意売却を成功させるためには
ここまで、任意売却の価格について、競売との差額、通常売却よりも安くなってしまう理由を説明してきました。
重要なことは、売却価格が安くなってしまう競売を避けて、市場相場に近しい価格での売却が見込める任意売却での売却を成功させることです。
ここでは、任意売却を成功させるために重要なポイントを説明いたします。
とにかく早く相談すること
任意売却は競売までの間で売却を完了させる必要があるため、早めに相談することが大切です。
住宅ローンを滞納してから、1年から1年半ほどで競売の手続きが開始しますが、任意売却は、競売が開始するまでの間に引き渡しまで完了する必要があります。
任意売却は売却開始からどの程度の時間をかければ売却できるかが分かりません。
期限が近い状態で売却を進めると、購入希望者からの値下げ交渉で、よくない条件で売却せざるを得ない状況になってしまうこともあるでしょう。
上記のような状態をできるだけ避けるためにも、任意売却はできるだけ早い段階で相談しましょう。
成功事例が豊富な業者に相談すること
任意売却は金融機関との交渉や購入希望者への説明など通常の売却と比べて専門性が求められます。
例えば、売却価格を決定するにも債権者(金融機関)の承諾を得る必要がありますし、購入希望者に対しても、契約不適合責任がつかないなど法的な違いを説明しなければなりません。
このため、過去に任意売却の実績が豊富で、かつ成功事例の多い業者に相談することが重要です。
普通の不動産では取り扱う機会が少なく、慣れていないため、専門で行っている業者に相談するようにしましょう。
任意売却に関して、無料でご相談できます。
競売の場合、相場と比べて6~7割程度での売却となることが多いのに対し、任意売却であれば通常価格の8~9割での売却を目指すことができます。
また、売却後に分割返済を交渉できたり、売却代金から引っ越し資金を捻出してもらえるよう交渉したりといったことも可能です。
住宅ローンの返済を滞納してしまった場合、最終的に競売になってしまうより前に、任意売却での売却を目指すことをおすすめします。
任意売却は競売が開始するまでに引き渡しまで完了する必要があるため、早めに売却を始めることが大切です。
また、任意売却は通常の売却と同じ方法で売却するとはいえ、債権者との交渉など特殊な手続きを含みます。
このため、任意売却の実績豊富な不動産会社に依頼することが大切です。
任意売却について分からないことを相談したいという方は、まずは全国任意売却協会までご相談ください。
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