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任意売却のデメリットとは?家を売却せずに解決する方法も解説

更新日 2025-02-26

瀧 基洋

記事監修者

瀧 基洋

バブル崩壊を経験し、住宅販売・仲介・開発に従事。
事業破綻による住宅ローン問題を機に任意売却に注力し、返済相談を支援。

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任意売却のメリットだけでなく、デメリットや注意点について詳しく知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。

任意売却は競売と比較するとメリットが多いと言われますが、デメリットもあります。例えば、売却価格を自由に設定できない、タイムリミットがある、連帯保証人の同意が必要などです。

事前にデメリットや注意点を理解しておくことで、リスクを回避することができます。

本記事では、任意売却の7つのデメリットと3つの注意点を解説します。さらに、家を売らずに済む方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

任意売却のデメリット

任意売却のデメリットには、販売活動への協力が求められること、タイムリミットがあること、売却価格を自由に決められないことなどがあります。

デメリットを把握することで、任意売却に伴うリスクを理解でき、回避しやすくなります。

ここでは、任意売却の7つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

販売活動に協力しなければならない

任意売却が可能な期間は、金融機関から一括返済を求められる(期限の利益を喪失)時点から、おおよそ6ヶ月〜1年程度とされています。

※期限利益の損失…分割払いの権利が失われること

この期間内に買主を見つけて任意売却を完了させないと、競売にかけられてしまいます。

売主は内覧前の掃除や片付け、スケジュール調整、不動産会社との打ち合わせ、販売資料の準備など、販売活動に積極的に協力する必要があります。これらの作業を怠ると、買主を逃してしまうかもしれません。

不動産会社が仲介する場合でも、任意売却は限られた期間内で進めなければならず、売主の積極的な協力が求められる点がデメリットです。

任意売却のタイムリミットを過ぎると競売

任意売却は、競売の開札日の前日までにすべての手続きを完了させる必要があります。

期限内に手続きを終えれば競売を回避できますが、間に合わない場合は自宅が競売にかけられます。

一般的な不動産売却であれば、このようなタイムリミットを意識する必要がないため、売却活動を焦らず進めることが可能です。

しかし、任意売却にはタイムリミットが設定されており、この期限を超えると競売となって不利な条件での売却を強いられます。そのため、売却や交渉を先延ばしにする余裕はほとんどありません。

個人信用情報に滞納情報が記録される

任意売却のデメリットは、信用情報に滞納記録が残ることです。

CIC、JICC、JBAなどの信用情報機関に滞納情報が登録されると、いわゆるブラックリストに載り、新規のローンやクレジットカードの作成が難しくなります。例えば、JICC(日本信用情報機構)では、延滞や滞納情報が最大5年間記録されます。

任意売却は、住宅ローンの滞納による競売を回避するための手段ですが、すでに滞納の事実があるため、将来的な借り入れなどに制約が生じる点に注意が必要です。

参照:

日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関

指定信用情報機関のCIC

一般社団法人 全国銀行協会

売却価格を自由に設定できない

任意売却のデメリットの一つは、売却価格を自由に設定できないことです。

売却価格を決める主導権は債権者である金融機関にあるため、債務者が自由に価格を設定することはできません。

そのため「もっと高く売りたい」「この価格では低すぎる」といった不満を感じることもあります。

しかし、任意売却の目的は債権者の資金回収であるため、通常の売却のように売主が価格や条件を自由に決めることはできない点に注意が必要です。

別れた夫、妻など、連帯保証人の同意・協力が必要

任意売却のデメリットの一つは、債権者だけでなく連帯保証人の同意も必要なことです。

例えば、連帯保証人が離婚した元配偶者やその親族の場合、交渉が難航することがあります。場合によっては連絡が取れなかったり、話し合いが成立しないまま時間だけが経過することもあります。

特に、別れた妻や子どもがその家に住んでいて滞納の事実を伝えていない場合は、状況が一層複雑です。同意が得られなければ、任意売却はできず、自宅が競売にかけられることになります。

こうした状況を避けるためにも、早めに連帯保証人と話し合いを始めることが大切です。

任意売却後の残債は返済義務がある

任意売却後に住宅ローンが残っている場合は、返済義務が生じます。

売却代金でローンを完済できれば問題ありませんが、残債が残る場合は返済が必要です。住宅ローンの借入額や売却価格によっては、多額の残債が残ることもあります。

ただし、競売では一括返済が求められますが、任意売却の場合は金融機関に相談することで分割返済など柔軟に対応してもらえるケースが多いです。

売買契約書などの手続きをしなければならない

任意売却の買主が決まると、売買契約の締結が必要なため、債務者も手続きの準備を進めなければなりません。

売却契約に必要な書類の準備やスケジュールの調整が必要です。忙しさを理由に手続きを先延ばしにすると、期間内に任意売却を完了できず、競売にかけられる可能性が高くなります。

また、売買が成立すると債務者は不動産会社に仲介手数料を支払う必要がありますが、一般的には売却代金から支払えるため、自己資金を使わずに済む場合が多いです。

注意点

任意売却の注意点には、悪徳業者の存在や連帯保証人の同意、時間に余裕がないことなどがあります。注意点を理解することで、リスクを軽減することが可能です。

ここでは、任意売却に関する3つの注意点を紹介します。

悪徳業者に注意が必要

任意売却を行う際は、悪徳業者に十分注意してください。

残念ながら、任意売却に関わる悪徳業者が存在しており、騙されてお金を取られたり、高額な引っ越し代を請求されたりするケースがあります。

悪徳業者は、実績がないにもかかわらず、嘘をついて強引に契約を迫ったりしてきます。

悪徳業者に関わると、費用を取られるだけでなく任意売却が進まず、最終的に競売にかけられるリスクが高くなるため注意が必要です。

業者を選ぶ際は、実績や評判、担当者の対応などをしっかりと確認することが大切です。

連帯保証人に同意してもらう必要がある

任意売却は、債権者となる金融機関の同意だけでなく、連帯保証人の同意も必要です。そのため、債権者の同意を得られたとしても、連帯保証人の同意が得られない場合は、任意売却を進めることが難しくなります。

特に、連帯保証人が離婚した元配偶者など、関係が複雑な場合は交渉が難航する可能性があることを覚悟しておきましょう。

競売まで時間がないため早めに相談することが重要

任意売却は時間との戦いであり、競売を回避するためには、開札日の前日までにすべての手続きを完了させる必要があります。

通常の不動産売却では、十分に時間をかけて条件に合った買主を探すことができますが、任意売却だとそのような時間はありません。

期限を過ぎると競売にかけられ、不利な条件で自宅を手放すことになります。限られた時間を強く意識して、積極的に売却活動に協力する姿勢や行動が大事です。

家を売却せずに解決する方法

家を売却せずに解決する方法として、住宅ローンの返済方法の見直しや借り換え、債務整理などがあります。

これらの方法を知ることで、解決策の幅が広がり、より適切な対応が可能になります。

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

住宅ローンの返済方法を見直す

金融機関に相談して住宅ローンの返済方法を見直すことで、家を売却せずに済む可能性があります。

例えば、住宅金融支援機構のフラット35では、住宅ローンの返済が厳しい場合に次のような返済方法の変更が可能です。

  • 返済期間を延長して月々の返済額を減らす
  • 一定期間、月々の返済額を減額する
  • ボーナス払いの変更や取りやめ

返済方法を見直すことで、住宅ローンの滞納が防げて家の売却を回避できる可能性があります。

参照:返済方法の変更を希望するときは:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

住宅ローンを借り換える

今より有利な条件のローンに借り換えることで、返済負担が減り、家の売却を回避できる可能性があります。

しかし、住宅ローンの借り換えで効果を得るためには、一般的に「金利が1%以上低い」「残りの返済期間が長い(10年以上)」「残債が1,000万円以上」といった条件を満たすことが必要です。

また、借り換えには審査がある上に、利用する際は諸費用がかかる点にも注意が必要です。

債務整理をおこなう

債務整理も家を売却せずに解決する方法の一つです。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。

  • 任意整理:債権者と交渉して、利息のカットや分割返済で毎月の返済額を軽減する手続き
  • 個人再生:裁判所に申立てを行い、債務を減額して3年〜5年で分割返済する手続き
  • 自己破産:裁判所に申立てを行い、債務を全額免除してもらう手続き

これらの手続きを行うことで、返済額や債務が軽減されて、住宅を手放さずに済む可能性があります。

まずはご相談ください

任意売却には、連帯保証人の同意が必要であったり、売却価格を自由に設定できなかったりするデメリットがあります。

しかし、競売に比べてメリットが大きいため、多くの方が競売を回避するために任意売却を選択します。

また、住宅ローンの見直しや借り換え、債務整理を検討することで、自宅を売却せずに済むこともあるため、自分の状況に合った選択をすることが大切です。

その他にも状況に応じた解決策を提案できますので、住宅ローンの返済が厳しくお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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