住宅ローン滞納6カ月で競売は回避できる?
更新日 2026-01-30
「滞納6カ月となってしまったが、今後どうなるのか」
「延滞を解消できないまま、手続きが進んでしまっている」
住宅ローン滞納が6カ月を超えると、解決できないまま競売が近づき、不安を抱える方は少なくありません。このまま放置すれば、競売手続きにより自宅を失う可能性が高まります。
しかし、競売の入札前までなら、任意売却により生活再建が可能です。
この記事では、滞納6カ月以降から競売までの一般的なスケジュールと競売のデメリットを整理し、競売直前でも任意売却に取り組むべき理由を解説します。今後の対応に迷っている方は参考にしてみてください。
住宅ローン滞納6カ月以降の競売スケジュール
住宅ローン滞納が6カ月を超えると、以下の流れで競売手続きが進みます。
- 競売開始決定通知が届く
- 現況調査が行われる
- 期間入札の公告で情報が公開される
- 引渡命令から強制執行による立ち退き
それぞれの内容を見ていきましょう。
競売開始決定通知が届く
代位弁済から1〜2カ月後が目安で、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。債権者(保証会社など)が裁判所に競売を申し立て、受理されたことを知らせる書類です。
この通知が届いた時点で、自宅は法的に差し押さえを受けており、原則として勝手に売却したり名義変更したりすることはできません。
競売は裁判所主導による強制的な売却手続きです。当事者の都合でスケジュールを調整しにくく、裁判所の手続きに沿って進みます。
現況調査が行われる
競売開始決定から約1~2カ月が経過すると、裁判所の執行官と不動産鑑定士などが自宅を訪問し、「現況調査」が行われます。調査は競売における最低落札価格の目安となる「売却基準価額」等を定めるうえで欠かせません。
主な調査内容は、以下のとおりです。
- 室内の状況確認
- 間取りの確認
- 土地の確認
- 物件の写真撮影
- 居住者への聞き取り
もし調査の拒否や居留守を続けても、正当な理由があれば立ち入りのための手続きが進められ、必要に応じて鍵業者を手配して入室されるケースもあります。
期間入札の公告で情報が公開される
現況調査から数カ月後が目安で、裁判所から「期間入札の通知」が届きます。同時に、裁判所の掲示場やインターネット上の「BIT(不動産競売物件情報サイト)」などで物件情報が一般公開されるのです。
公開される物件明細書や現況調査報告書、評価書には、物件の所在地だけでなく、現況調査で撮影された室内写真や間取り図も含まれます。
誰でも閲覧できる状態になるため、購入を検討する不動産業者や投資家が現地を見に来る時期です。近隣住民や知人に競売の事実が知られるリスクが高まる時期といえるでしょう。
引渡命令から強制執行による立ち退き
入札期間が終了し落札者が決まると、裁判所による売却許可決定を経て代金納付が行われます。納付時点で自宅の所有権は落札者に移転するため、元の持ち主は立ち退いて、新しい所有者への明け渡しが必要です。
立ち退きに応じない場合、落札者は裁判所に「引渡命令」を申し立てます。それでも退去しないと、最終的には執行官による「強制執行」が実施されます。
強制執行では、家具などの荷物が強制的に運び出され、鍵も交換され旧所有者は二度と家に入れません。次の住居が決まっていなくても、退去させられる点は競売の厳しい現実です。
競売になると避けられない3つのデメリット
競売は、債権者が債権回収を進めるための法的手続きであるため、債務者には3つのデメリットがあります。
- 市場相場より安く売却され多額の借金が残る
- 情報公開によりプライバシーが保護されない
- 強制退去となり引っ越し費用の確保ができない
それぞれの内容を見ていきましょう。
市場相場より安く売却され多額の借金が残る
競売における落札価額は、市場価格の約5~6割程度に設定される傾向にあります。一般市場よりもリスクが高いとみなされ、安値で取引されるためです。主なリスクは、以下のとおりです。
- 内覧ができない
- 購入後のトラブルに対する補償が免責される
その結果、すべての債務を完済できず、家を失った後も多額の残債が残るケースが少なくありません。給与の差し押さえや連帯保証人への請求が続くうえ、経済的な立て直しも非常に困難となるでしょう。
情報公開によりプライバシーが保護されない
競売物件として情報が公開されると、インターネットや新聞を通じて、自宅の住所や室内写真が誰でも閲覧可能になります。
物件情報から近隣住民や知人に経済的な事情を知られるリスクが高まり、プライバシーを守ることが困難な状態です。住み慣れた地域で周囲の目を気にしながら生活せざるを得なくなり、債務者だけでなく、家族にとっても、大きな精神的ストレスになり得ます。
強制退去となり引っ越し費用の確保ができない
競売では、売却代金から引っ越し費用を確保できません。さらに、退去日は落札者の都合で決定されるため、引っ越し先の確保や準備状況に関わらず退去を迫られます。
立ち退きに応じない場合は最終的に強制執行となり、家具や荷物が強制的に運び出されてしまいます。どんな状況でも強制的に追い出されるため、住まいの確保が間に合わないリスクがあるのです。
競売回避と生活再建に向けた4つの選択肢
競売の入札が始まる前であれば、生活を立て直すための選択肢が4つあります。
- 任意売却
- リースバック
- 個人再生
- 自己破産
それぞれの特徴を理解し、自分に最適な方法を検討しましょう。
任意売却
債権者など関係者すべての合意を得て、不動産市場で自宅を売却する方法です。主なメリットは、以下のとおりです。
- 売却価格が市場価格の7〜8割
- プライバシーが守れる
- 債権者と売却後について交渉可能
- 残債の返済方法
- 引っ越し費用の確保
- 引っ越し時期
競売のような法的な手続きではなく、通常の不動産取引と同様に販売活動を行うため、売却後の残債を大幅に圧縮できる可能性があります。また、債権者との交渉次第では、売却後の返済負担を軽減でき生活再建に取り組みやすいでしょう。
任意売却の詳細は、次の記事で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:【図解】任意売却とは?競売との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説
リースバック
リースバックは自宅を不動産会社などに売却し、売却後は買い手と賃貸契約を結んで家賃を払いながら住み続ける仕組みです。
引っ越しが不要なため、子どもの転校を避けたり、住み慣れた環境を変えずに生活できたりするメリットがあります。ただし、売却価格が市場相場より低く、家賃も相場より高くなりやすい点に留意してください。売却後には、毎月の家賃を支払い続ける安定した収入が必要です。
リースバックの詳細は、次の記事で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:住宅ローンが残ったままでもリースバックは利用可能?条件や注意点を解説!
個人再生
個人再生は裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年間で分割返済する手続きです。「住宅資金特別条項」を利用すれば、住宅ローン以外の借金を整理しつつ、自宅を残せる可能性があります。
ただし、代位弁済から6カ月以内に申し立てる必要があるうえ、継続的な収入が見込めるなどが利用の必須条件です。確実に手続きを進めるためにも専門家に相談しましょう。
個人再生の詳細は、次の記事で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:住宅ローン返済中でも個人再生はできる!専門家が自宅を守る方法を徹底解説
自己破産
裁判所に申し立てを行い、すべての借金の支払い義務を免除してもらう法的手続きです。住宅ローンだけでなく、生活費のために膨らんだカードローンなどの借金もまとめて整理の対象となります。
自宅など一定の財産は処分されますが、生活に必要な家財道具や99万円以下の現金などは手元に残せるケースが多く、最低限の生活基盤は守られます。
任意売却を行ってもなお、返済しきれない残債が残る場合に、借金を完全にリセットして生活を再建するための最終的な解決策として選ばれる傾向です。
自己破産の詳細は、次の記事で解説していますので、参考にしてください。
競売直前でも任意売却を選択すべき理由
競売の入札が迫っている状況でも、任意売却を選ぶことは、売却後の生活再建を有利に進めるうえで大きなメリットになります。
残された時間はわずかですが、市場価格に近い売却や費用の交渉など、競売にはない利点を活かしてダメージを最小限に抑えるため、直ちに行動を起こすことが不可欠です。
競売の開札日前日までが期限
任意売却はいつでもできるわけではなく、一般的に「競売の開札日(入札期間終了)の前日」が手続きのタイムリミットとなります。
期限を過ぎると、たとえ購入希望者がいても競売を止めることはできません。機会を逃さないため、競売開始決定通知が届いたらすぐに専門家へ相談し、債権者との合意形成に向けた動きが重要です。
ただし、期間入札の公告が出る頃には競売手続きが大きく進んでいるため、実質的には残された時間が短いと意識しておきましょう。
競売よりも残債を大幅に減らせる可能性が高い
| 項目 | 任意売却 | 競売 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格の約7~8割 | 市場価格の約5~6割 |
任意売却は競売より、市場価格に近い金額で売却できるため、残債も大幅に減らせる期待ができます。売却価格が高ければ高いほど、返済に充当できる金額が増えます。
その結果、自宅を手放した後の生活再建がスムーズになり、自己破産を回避できるケースも多くなるでしょう。
分割返済や引っ越し費用を交渉できる
| 項目 | 任意売却 | 競売 |
|---|---|---|
| 残債の返済 | 分割返済を交渉可能 | 一括返済 |
| 引っ越し費用 | 売却代金から確保可能 | 不可 |
売却後に残った住宅ローンについて、債権者と柔軟な相談が可能です。売却後の生活状況に合わせて無理のない分割返済に応じてもらえます。
競売では認められない引っ越し費用を売却代金から控除してもらえるよう債権者と交渉できる場合もあります。
それぞれ交渉で認められれば、生活再建に向けた資金負担を軽減できるでしょう。
住宅ローン滞納6カ月に関してよくある質問
住宅ローンの滞納が6カ月続き、不安を抱える方から多く寄せられる質問に回答します。
競売になると近所や会社にバレてしまいますか?
競売情報はインターネットや裁判所で公開されるため、不動産業者が近隣に聞き込みに来るなどして、近所にバレる可能性は高いでしょう。
会社への連絡は原則ありませんが、競売後も残債を支払えず給与差押えになると、裁判所からの通知で会社に知られることになります。
競売開始決定通知が届いた後でも住み続けられますか?
競売開始決定通知が届いても、すぐに退去する必要はなく、落札されて所有権が移転するまでは住み続けることが可能です。
ただし、競売手続き中の猶予であり、最終的には立ち退きが必須となります。できるだけ早く次の住居を探すか、引っ越し時期を調整できる任意売却の準備をする必要があります。
任意売却を依頼するのに手持ちの費用は必要ですか?
任意売却の仲介手数料や登記費用などの諸費用は、売却代金から差し引かれる仕組みになっているため、依頼時に現金の持ち出しは原則不要です。
任意売却は経済的に困窮している状況でも、費用の心配をせずに専門家のサポートを受けられます。
競売後に残った借金はどうなりますか?
自宅が競売で売れても借金がなくなるわけではなく、残った住宅ローンの一括返済を債権者から求められます。支払えない場合は給与差押えなどが続くため、最終的には自己破産など法的整理の検討が必要です。
住宅ローン滞納6カ月後に相談して解決に至った事例
実際に滞納6カ月を超えてから当協会へ相談し、任意売却によって多重債務の問題を解決した事例をご紹介します。
運送業を営むK様は、コロナ禍で仕事が激減したうえ離婚が重なり、半年以上の滞納で一括返済を迫られていました。小さなお子様を抱えて困窮し、八方ふさがりの状態でご相談いただきました。
当協会では行政や弁護士と連携し、生活保護の受給申請と任意売却を同時にサポート。お子様の転校を避けるため学区内での引っ越し先を確保しつつ、時間を調整して売却活動を進めました。
その結果、無事に自宅を売却し生活保護も決定。精神的な不安からも解放され、親子での新たな生活をスタートされています。
事例の詳細については、解決事例集をご覧ください。
参照元: 転職後の収入減と家庭崩壊、早急な対応で競売回避・売却成功したケース
まとめ:住宅ローン滞納6カ月で競売になりそうでも早急な相談を
滞納6カ月では、競売の申し立てになる可能性も考えられる時期です。このまま放置すれば、競売手続きとなり、強制退去や多額の借金が残る可能性が待っています。
しかし、競売開始決定通知が届いた後でも早急な対応による「任意売却」で、生活へのダメージを最小限に抑えることが可能です。ただし、スピーディーな対処が欠かせません。
一般社団法人 全国任意売却協会では、住宅ローン問題の専門家が無料でご相談に応じます。相談者の状況に合わせて最適な解決策を一緒に見つけ出します。手続きができなくなる前に、まずは一度お気軽にご連絡ください。
ご相談は全国から無料で受付中!
解決事例一覧
「ゆとりローン」の返済額倍増と教育費が直撃!計画的な任意売却で不安を乗り越えたケース
福岡市にお住まいのSさん(52歳)は、新築マンションを購入した際に「ゆとりローン」を利用しました。当初の月々返済額は11...
「住宅ローンを3人で組む」リスクが表面化。親子3人名義の家を任意売却したケース
Kさんは母と妹との3人家族で、夢だったマイホームを親子3人名義で購入。住宅ローンを3人で組む(収入合算)ことで審査を通し...
「旦那が借金を残して死んだら…」住宅ローンと不明な債務を相続放棄と任意売却で解決した事例
Tさんはご主人を病気で亡くされましたが、「旦那が借金を残して死んだらどうなるか」という不安通り、借金の有無も不明なまま働...