突然の心臓マヒと転職で収入激減、任意売却で解決したケース

Aさんはもともと長距離トラックの運転手をされていましたが、ある日、東京から京都へ輸送中の途中で心臓マヒを起こし、約1か月の入院と手術を受けることになりました。事故には至らなかったものの、入院保険が十分ではなかったため自己負担額が発生。積み荷の食品が傷んでしまった賠償金や保険ではまかないきれなかった荷物の弁償費用も重なり、数百万円の借金を抱えることになったそうです。 そのうえ、心臓への負担を考慮してトラック運転手を辞め、市場でのフォークリフト運転手へ転職されましたが、収入はそれまでの3分の1に減少。家族を支えながら住宅ローンを払い続けるのがどうしても難しくなり、「夫が転職して給料が下がってしまった。住宅ローンが払えない」という深刻なお悩みを抱えて、当協会にご相談に来られました。

ご提案内容と解決方法

入院費用や商品代の弁償金などで多額の出費が続き、収入も激減してしまったため、これまでどおりの住宅ローンを支払うことは現実的に難しいと判断しました。無理をして支払いを続けても滞納が膨らんでいくだけで、家族の心身の負担がより大きくなる恐れがありました。そこで、残債の一部を圧縮しつつ早期に解決できる任意売却をご提案しました。 任意売却の手続きを進める際には、Aさんのご家族が落ち着いて新しい住まいへ引っ越せるよう、できるだけ時間と心の余裕を持って取り組むことを重視しました。その結果、ご自宅を売却し、残ったローンについては金融機関と話し合いながら、無理のない範囲で返済していく道を整えることができました。

今回の事例のポイント

突然の病気や予想外の出費が重なると、今まで順調だったローン返済が一気に苦しくなるケースは少なくありません。今回のように、余裕がなくなってしまったローンを抱え続けるよりも、任意売却という方法を活用して家計を立て直すことで、ご家族が共倒れになる事態を回避できる場合があります。Aさんは早めにご相談いただけたことから、比較的スムーズに買い手を見つけられ、今後の返済負担を軽くすることができました。

任意売却によって自宅を手放す決断はご家族にとってつらい面もあったようですが、まとまった売却代金で残債を大幅に減らせたことで、Aさんご夫婦は「やっと心の荷が下りた」と感じられたそうです。引っ越し先は、当協会が提携する不動産会社のサポートを受け、保証人不要の賃貸住宅を見つけることができ、退去時期も調整しやすかったため、時間的にも精神的にも余裕を持って新生活へ移行できました。 「突然の心臓マヒで、これまで安定していた仕事を続けられなくなり、入院費や弁償費も予想以上にかかって正直、家族に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、相談して任意売却を進めたことで、今はなんとか余裕を持って生活を続けられています。残ったローンも少しずつ返していけそうですし、前向きにやっていきたいです」と、Aさんは今の仕事を大切にしながら、安定した暮らしを築こうと心を新たにしていらっしゃるご様子です。 今回のケースは、急な病気で人生設計が一変してしまった事例ですが、だからこそ早めに専門家に相談することで選択肢が広がることを改めて感じました。Aさんご家族がこれからも穏やかに過ごせるよう、心より応援しております。