住宅ローンを滞納したら自宅はどうなる?リスクや流れ、対処法を解説
更新日 2025-06-02
住宅ローン危険度診断
住宅ローンを滞納中で「6ヶ月滞納すると競売になる?」「差し押さえはいつされるの?」といった不安を感じている方もいるでしょう。
万が一滞納してしまった場合、事前に差し押さえや競売に至るまでの過程を理解しておくことで、慌てず冷静に対処しやすくなります。
また、滞納後に差し押さえや競売を避けるための具体的な対処法も知っておくことが大切です。
そこで本記事では、住宅ローンを滞納することで起きるリスクや流れ、対処法について解説します。
住宅ローンを滞納するとどうなる?
住宅ローンを滞納すると、金融機関から支払いの督促が届きます。
その後も返済が難しい場合は、最終的には一括返済を求められたり、信用情報に傷がついて「ブラックリスト」に載ってしまう可能性があります。
さらに事態が進行すると、自宅の差し押さえや競売といった法的手続きに発展することもあるので注意が必要です。
ただし、1回(1ヶ月)の滞納で、すぐに自宅が差し押さえられたり、ブラックリスト入りすることはありません。
一般的には、2〜3回(2〜3ヶ月)滞納が続くと、金融機関から督促状や催告書が届き、それでも返済できない場合は、保証会社が代位弁済(※1)を行います。
そして、代位弁済により、債権者が金融機関から保証会社へと変わります。
また、期限の利益を失い(※2)、一括返済を求められることになるため注意してください。
一括返済できない場合には、差し押さえや競売などの措置が取られる可能性があります。
※1:保証会社がローン契約者に代わって金融機関への返済を行うこと
※2:分割払いの権利が失われること
住宅ローン滞納で起こる流れ(ステップ別)
住宅ローンを滞納した場合に起こりうる流れや影響を事前に理解しておくと、今後の展開を予測しやすくなります。
また、リスクを回避するための適切な対処法を選択できます。
それぞれの内容について見ていきましょう。
1〜2ヶ月の滞納
住宅ローンを1〜2ヶ月滞納すると、金融機関から電話や書面による督促が届きます。
返済期日を過ぎているため、遅延損害金が発生する点に注意が必要です。
遅延損害金の金利は年14.0%または14.6%に設定されていることが多く、未払い分の返済額とあわせて請求されることになります。
この時点で、請求額をきちんと支払うことができれば、自宅の差し押さえや競売は回避でき、現在の家に住み続けることができます。
3ヶ月以上の滞納
住宅ローンの滞納が3ヶ月以上続くと、金融機関から催告書などの正式な通知が届きます。
それでも返済できない場合は、保証会社による代位弁済が行われ、債権者が金融機関から保証会社へと変わります。
そして、期限の利益が失われ、住宅ローンの一括返済を求められることになるため注意が必要です。
この段階で一括返済ができれば、自宅の差し押さえや競売といった事態は回避できます。
しかし、すでに返済が滞っている状況では、一括返済は現実的に厳しい場合がほとんどです。
滞納6ヶ月以降
住宅ローンの滞納が6ヶ月以上続き、一括返済も行われていない場合は、金融機関や保証会社は裁判所に競売の申立てを行います。
その後、裁判所が競売開始を決定すると、自宅に「競売開始決定通知」が届きます。
競売は裁判所主導で進み、自宅は差し押さえられ、執行官による現地調査なども行われるため注意が必要です。
物件が落札されると、所有者は自宅から退去を命じられます。
住宅ローン滞納によるリスク
住宅ローン滞納によるリスクは、次のとおりです。
- 自宅を競売にかけられて失う可能性がある
- 競売価格が低くローンの残債が残ることがある
- 強制退去を命じられることがある
- 引っ越しや子どもの転校など家族の生活に影響が出る
- 信用情報に傷がついて一定期間ローンを利用できなくなる
住宅ローンを滞納すると、このようなリスクが生じます。
競売は、売却価格が一般的な市場価格よりも低いことが多く、売却後も残債が残ってしまい、返済しなければならないケースが少なくありません。
また、競売に関する情報が公開されるため、友人や知人、同僚などに事情を知られる可能性があるため注意が必要です。
個人再生の利用手続き
個人再生とは債務整理の一つで、裁判所の許可を得て借金を減額(5分の1程度)してもらい、残った借金を返済していく手続きです。
住宅ローンを債務整理の対象から除外できる「住宅資金特別条項」を利用すれば、自宅を手放さずに手続きを進めることが可能です。
個人再生を進めるには、財産状況を整理して必要書類を準備した上で、裁判所に申立てを行います。
その後、裁判所や再生委員による審査や調査が行われ、問題なければ再生手続開始決定が出されます。
そして、再生計画案を提出して認可されれば、計画にもとづいた返済がスタートします。
住宅ローンを滞納してしまったときの対処法
住宅ローンを滞納してしまった場合の対処法を理解しておくことで、自分の状況に合った対応を選択することができます。
それぞれの対処法について見ていきましょう。
まずは金融機関に連絡
住宅ローンを滞納した場合は、できるだけ早く金融機関に連絡をして、返済条件の見直しについて相談してみましょう。
必ずしも応じてもらえるわけではありませんが、状況によっては返済額の一時的な減額や返済期間の延長などに対応してもらえる可能性があります。
ただし、返済額の減額や期間の延長を希望するからといって、虚偽の説明をしてはいけません。
嘘をついても調査で発覚する可能性が高いため、滞納に至った理由や現在の経済状況について、正直に誠意を持って伝えることが大切です。
家計を見直す
住宅ローンを滞納している場合は、返済を最優先に考える必要があります。
このまま返済できない状況が続けば自宅を手放すことになるため、早めに家計の見直しを行いましょう。
固定費や変動費を削減して支出を抑えることで、より多くの返済資金を確保できます。
経済的に厳しくどうしても返済が難しい場合は、将来的に自宅を失うリスクが高いため、早めに公的支援制度の利用を検討することも大切です。
例えば、生活保護や住宅確保給付金などの制度があります。
それぞれで条件が異なるため、早めに自治体の窓口で情報を収集しておきましょう。
債務整理を検討する
住宅ローンを滞納したときは、債務整理を検討する方法もあります。
- 任意整理:住宅ローンは免除の対象外となるため限定的
- 個人再生:住宅ローン特則を使えば自宅を守れる
- 自己破産:すべての借金を免除できるが原則自宅は手放すことになる
これらの債務整理を行うことで、借金の減額や免除が認められて返済負担を軽減できます。
ただし、自己破産など内容によっては自宅を失うリスクがあるため注意が必要です。
信用情報に債務整理の履歴が残るため、一定期間は新たな借り入れやクレジットカードの作成などに支障が出ることがあります。
また、債務整理は誰でも希望すれば利用できるわけではなく、条件を満たしていない場合は裁判所の許可が下りないため、専門家に相談することをおすすめします。
任意売却という選択肢も
住宅ローンを滞納した場合、任意売却という選択肢も検討できます。
任意売却は金融機関の許可を得て自宅を売却する手続きで、競売を回避できる手段の一つです。
市場相場に近い金額で売却でき、売却後にローンが残った場合でも、金融機関と交渉して無理のない返済計画を立てることができます。
また、諸費用は売却代金から支払うことができ、自己資金の持ち出しが不要な場合がほとんどです。
引き渡し日についても交渉できます。
任意売却は、通常の不動産売却と同じような流れで進むため、友人や知人に事情を知られるリスクも抑えられます。
関連記事:任意売却とは?メリット・デメリットや競売との違いをわかりやすく解説!
住宅ローンを滞納してしまったらすぐにご相談を
住宅ローンを滞納しても、すぐに差し押さえや競売に至るわけではありません。
ただし、数ヶ月にわたって滞納が続く場合は、差し押さえや競売の対象となり、自宅を失う可能性があるため注意が必要です。
また、信用情報に滞納情報が記録され、今後の借り入れに影響が出る場合があります。
競売情報は公になるため、友人や知人に事情を知られるリスクもあります。
自宅の差し押さえや競売を回避するために、債務整理や任意売却を検討するのも一つの選択肢です。
ただし、どちらも専門的な知識と期限内での手続きが必要になるため、早めに専門家へ相談してアドバイスやサポートを受けて進めることが大切です。
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