任意売却で買い手がつかない原因は?対策と専門家の選び方を解説!
更新日 2025-04-02
任意売却を検討している方で、「任意売却の買い手がつかないで売れないとどうなる?」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
任意売却で売れない場合、金融機関が裁判所に申し立てて競売手続きに進みます。競売では売却価格が任意売却より下がってしまうため、避けたい手続きです。
この記事では、任意売却の概要や買い手がつかない理由と対処法などを解説します。
また、任意売却の相談先を選ぶポイントについて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
任意売却とは
任意売却とは住宅ローンの返済が困難になった際、競売を避けるため、債権者である金融機関の同意を得て不動産を売却する方法です。 通常の不動産売買と似ていますが、住宅ローン残債が残っている点が異なります。 任意売却と競売の主な違いは下表のとおりです。 任意売却は手続きの調整ができますが、競売は強制的に手続きが進んでいきます。任意売却の方が高く売れて住宅ローン残債が少なくなるため、債務者にとって競売での売却は回避したい手続きです。 任意売却について詳しく知りたい方は、次の記事を読んでみてください。 関連記事:任意売却とは?競売や通常売却との違い、特徴を徹底解説 任意売却の成功率は約50~60%程度と言われており、半数近くのケースで計画通りに進まないリスクがあります。
任意売却は複数の条件を同時に満たす必要があるため、成功率が低くなりやすい傾向です。
主に必要となる条件は、以下のとおりです。 金融機関はいつまでも待ってくれないため、できるだけ早く売買契約を完了させることが重要になります。任意売却が長引くと、金融機関は裁判所へ競売手続きを申し立てるでしょう。 短い時間で買い手を見つけるためには、価格設定の工夫や内見対応の質など、さまざまな面で積極的な姿勢が求められます。
また成功率を高めるためには、専門知識を持つ不動産会社と協力し、競売手続きを避けられるように取り組みましょう。 任意売却を始めたものの買い手がつかない場合は、競売の方向へ進んでいくでしょう。 ここでは、競売の概要について解説します。 任意売却は買い手がつかず売却できなければ、債権者である金融機関は裁判所へ競売申立てを行います。債権者の自宅へ「競売開始決定通知書」が届くと、競売手続き開始です。 住宅ローン滞納から競売までの一般的な流れは次のとおりです。 競売物件は市場価格の6割~7割程度で落札されることが多く、落札後すぐに所有権が移転します。任意売却に比べて大きな損失になりかねません。 競売で物件が落札されると、裁判所から「引渡命令」が発せられるため、指定された期限までに住居から立ち退く義務が生じます。 一般的に退去までの猶予期間は長くはありません。短い期間で新たな住居を見つけ、引っ越しまで必要です。 住宅ローンを返済できない状況にもかかわらず、引っ越し費用という新たな負担が発生します。もし期限までに退去できなければ「不法占拠」とみなされ、強制執行の対象となりかねません。 任意売却で買い手がつかなくても最後まで諦めずに行動することが大切です。主な対処法として4つ紹介します。 それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。 市場価格からかけ離れた金額である場合、買い手がつかない可能性が高く、価格を見直す必要があります。 例えば、近隣の物件相場を徹底的に調査することが有効です。同じエリアで、同程度の広さや築年数の物件がいくらで取引されているかを確認します。 見直した市場価格の8割〜9割で設定した価格が希望より低いと、住宅ローン残債が多くなることを意味します。しかし、競売が市場価格の6割〜7割程度になると考えれば、見直す価値があるでしょう。 任意売却の価格設定について詳しく知りたい方は、下記の記事も読んでみてください。 関連記事:任意売却の価格はどのくらい?競売との違いや相場より安くなってしまう理由 内見は購入検討者が物件を実際に見る重要な機会です。内見での印象が購入判断を大きく左右するため、積極的な対応が重要になります。 効果的な内見にするためのポイントは、次のとおりです。 不動産会社に任せるのではなく、主体的に動いて売買契約に近づけましょう。 任意売却の専門家へ相談することは効果的な対策です。任意売却の経験が多く、ノウハウを持った専門家であれば、債権者である金融機関との交渉や適切な売却価格の設定がスムーズに進みます。 例えば、任意売却専門の不動産会社や全国任意売却協会などの専門団体へ相談することをおすすめします。難しい状況でも、状況にあった最適な解決策を提案して改善に導いてくれるでしょう。 任意売却は条件が整わなければ、実施できません。ここでは、具体的に任意売却ができない状況を解説します。 任意売却は、住宅ローン残債がある状態で抵当権を抹消するため、抵当権を設定した債権者である金融機関の同意が欠かせません。 金融機関は売却予定額や売却後の返済計画を総合的に判断したうえで、同意の可否を決定します。住宅ローンの残債に対する返済計画が実現可能性の低いものである場合は同意を得られにくい傾向です。 返済計画をより現実的かつ具体的にし、金融機関が納得できる実現可能な計画を提案しましょう。 任意売却は債権者だけでなく、共有名義人や連帯保証人にも影響があるため、同意が不可欠です。 共同名義人が同意しなければ、任意売却は法的に不可能です。また住宅ローン返済の連帯保証人も、売却後の住宅ローン残債に対する連帯保証は継続するため、同意が必要となります。 任意売却後の住宅ローン残債に対する計画について、関係者間で納得できる合意形成が大切です。離婚問題がある場合は弁護士など専門家の仲介が有効でしょう。 多くの任意売却は保証会社による代位弁済後に行われています。代位弁済とは、保証会社が滞納中の住宅ローンを保証契約に基づき、金融機関に対して肩代わりする手続きです。 代位弁済によって債権者となった保証会社は任意売却による回収を前向きに検討するため、任意売却を実施しやすくなるでしょう。 金融機関が代位弁済していないために任意売却の同意を得にくい状況が継続しているケースがあります。 任意売却を成功させるには、適切な専門家選びが重要です。相談先によって成功率が大きく変わるため、以下のポイントを重視して選びましょう。 それぞれの内容を解説していきます。 任意売却は時間制限のある手段です。一般的に競売の入札開始日前日までに売買契約を締結する必要があるため、スピード感が求められます。 相談先を選ぶ際は、問い合わせから対応までの速さをチェックしましょう。連絡がスムーズか、質問に迅速に回答してくれるかなど、コミュニケーションの質も見極めるポイントです。 スピーディーな対応ができる先を選べれば成功への期待が高まるでしょう。 任意売却は通常の不動産売却とは大きく異なります。特殊な手続きや法的知識、交渉スキルが必要となるため、実績の豊富さは重要な判断材料です。 過去の成功事例数や債権者との交渉実績など、具体的な数字をホームページなどで確認できると信頼性が上がります。また、常に最新の専門知識を持っているかも手続きを進めるうえで重要です。 経験豊富な専門家ほど、さまざまなノウハウにより予期せぬ問題にも対応できる可能性が高まります。 任意売却では債権者との交渉力も成功への重要な要素です。売却価格の設定や見直し、返済計画の相談など、専門的な交渉が必要な場面が多くあります。 金融機関との交渉実績や具体的に経験した任意売却案件の内容などを確認しましょう。債権者との良好な関係を構築できる専門家は、心強い存在です。 専門的な金融知識の資格保有なども重要な選定ポイントになります。 任意売却後には住宅ローンの残債問題が継続します。残債務への対応まで視野に入れた提案ができる専門家は理想的です。 任意売却できたものの分割返済が困難に陥った場合、個人再生や任意整理、自己破産などの債務整理の選択肢が考えられます。最悪の事態に対する知識を持ち、適切なアドバイスができる相談先が望ましいでしょう。 任意売却後の生活再建まで見据えたサポートができる専門家であれば、長期的な視点での解決が期待できます。 住宅ローンの返済が困難になった際、任意売却は競売を避ける有効な手段です。買い手がつかない理由はさまざまですが、成功へつなげるために原因を把握し、適切な対策を講じることで改善されます。 しかし、競売までの時間が短くスピーディーに対応するためには、専門家によるサポートが必要となるでしょう。 一般社団法人全国任意売却協会では、任意売却の対応に豊富な実績を持つ専門家が最適な解決策をご提案します。競売回避のサポートから残債問題まで、総合的なアドバイスが可能です。 当協会では無料で相談できるため、任意売却の買い手がつかないでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 ご相談は全国から無料で受付中!
内容
任意売却
競売
売却の主体
債務者
裁判所
売却価格
市場価格の8割〜9割
市場価格の6割〜7割
手続きの開始
債権者の同意
債権者が裁判所に申し立て
任意売却の成功率
任意売却で買い手がつかない場合はどうなる?
売れない場合は競売で強制的に売却される
競売後は定められた期限までの立ち退きが求められる
任意売却で買い手がつかないときの対処法4選
適切な売り出し価格に設定し直す
内見を積極的に行う
内容
効果
室内の整理整頓と清掃
清潔感のある空間は好印象を与える
DIYで壁の小さな穴や錆びた水栓を修繕
見栄えを良くする
購入者の都合にあわせた時間対応
見学希望者の増加につながる
任意売却に強い専門家に相談する
任意売却自体ができないケース
債権者の同意が得られない
共同名義人・連帯保証人が売却に同意しない場合
保証会社による代位弁済が行われていない場合
任意売却に強い相談先を選ぶ際のポイント
スピード感を持って対応してくれるのか
任意売却の実績が豊富か、専門知識を有しているか
債権者と交渉経験があるか
任意売却後の残債処理まで対応できるか
任意売却の専門家集団である当協会にぜひご相談ください