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税金で差し押さえ…任意売却には差押解除が必須!専門家が対処法を解説

更新日 2026-01-19

税金滞納による差し押さえと任意売却
瀧 基洋

記事監修者

瀧 基洋

バブル崩壊を経験し、住宅販売・仲介・開発に従事。
事業破綻による住宅ローン問題を機に任意売却に注力し、返済相談を支援。

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「役所から『差押書』が届いてしまった…。税金を全額払わないと、もう家を売ることもできないのか」

固定資産税や住民税などの滞納により、自宅に「差押登記」が入ってしまうと、勝手に売却することはできなくなります。そのまま放置すれば、役所主導の「公売(こうばい)」によって強制的に売却されてしまいます。

このような状況を解決する手段として「任意売却」がありますが、任意売却を行うには、大前提として役所に「差押解除」を認めてもらわなければなりません。

この記事では、税金滞納で差し押さえられた自宅を救うために、どのように役所と交渉して差押えを解除し、任意売却を成立させるのか、その具体的な仕組みと手順を解説します。

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税金で差し押さえられたらどうする?放置のリスク

役所との交渉イメージ

まず、現状を正しく理解しましょう。役所から差押通知が届いた段階では、まだ所有権はあなたにあります。しかし、「処分する権利」は完全に制限されています。

「公売(こうばい)」へのカウントダウン

住宅ローンの滞納による「競売」とは異なり、税金滞納による強制売却は「公売」と呼ばれます。

公売の最大の特徴は、裁判所を通さず、役所の権限だけでスピーディーに実行できる点です。差押通知が届いてから放置していると、ある日突然「インターネット公売」などに自宅の情報がさらされ、入札にかけられてしまいます。

任意売却の大前提は「差押解除」の交渉

公売を避けて、自分の意思で売却する「任意売却」を行いたい場合、必ず越えなければならないハードルがあります。それが「差押えの解除」です。

なぜ解除しないと売れないのか?

不動産の登記簿に「差押」と記載されている物件を欲しがる買主はいません。なぜなら、購入した後でも、役所がその権利を行使して公売にかければ、買主は所有権を失ってしまうからです。

そのため、任意売却を成立させるには、物件の引き渡し(決済)の日までに、必ず差押えを抹消してもらうことが絶対条件となります。

全額払えないのに、どうやって解除してもらう?

通常、差押えを解除するには滞納している税金を「一括完済」する必要があります。しかし、それができないからこそ困っているはずです。

そこで、任意売却の専門家が行うのが、「売却代金の一部を税金納付に充てることで、特例として解除してもらう」という交渉です。

交渉の鍵は「配分案」の調整

家を売ったお金を誰にどう配るかという計画を「配分案」と言います。

通常の売却 任意売却(差押解除の交渉)
売却代金はまず「住宅ローン(抵当権)」の返済に充てられる。
税金に充てるお金が残らない。
住宅ローン債権者(銀行)にお願いし、取り分を少し減らしてもらう。
浮いたお金を「解除料(ハンコ代)」として役所に納める。

このように、住宅ローンを貸している金融機関と交渉し、本来なら銀行が受け取るはずのお金の一部を「税金の支払い」に回してもらうことで、役所に納得してもらい、解除のハンコをもらうのです。

なぜ税金の差押解除は「最難関」なのか

仕組みだけ聞くと簡単そうに見えますが、実際の交渉は非常に困難です。多くの不動産会社が「税金の差押え物件」を敬遠する理由はここにあります。

理由1:役所の「公平性」の壁

銀行は「少しでも多く回収できるなら」と経済合理性で動きますが、役所は「税の公平性」を重視します。「あなただけ負けてあげることはできない」というのが基本スタンスです。

「全額納付以外は認めない」と頑なな担当者を説得し、「公売にかけるよりも、任意売却で一部でも確実に回収し、残りを分割納付させる方が行政にとっても得である」と認めさせる高度な交渉力が求められます。

理由2:法律上の優先順位

税金の種類やタイミングによっては、住宅ローン(抵当権)よりも税金の方が法律上の優先順位が高いケースがあります。

この場合、役所は「公売にかければ銀行より先に回収できる」と強気になり、任意売却に応じるメリットを感じにくくなります。こうなると交渉はさらに難航します。

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差し押さえられた家を任意売却する5ステップ

交渉の難しさ

では、実際に差押解除を伴う任意売却を進める手順を解説します。

ステップ1:専門家への相談(現状把握)

まず、住宅ローンの残高と、税金の滞納総額(延滞税含む)を正確に把握します。税金の差押えがある場合、通常の不動産仲介会社では対応できません。必ず「任意売却専門」の業者か弁護士に相談してください。

ステップ2:配分案の作成と銀行交渉

不動産の査定を行い、「いくらで売れて、その中からいくらを税金納付に回せるか」を計算します。 まずは最大の債権者である銀行(保証会社)に対し、「役所にこれだけ支払わないと解除してもらえないので、認めてほしい」と交渉し、同意を取り付けます。

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ステップ3:役所との「解除」交渉

銀行の同意を得た配分案を持って、役所の納税課などへ出向きます。「今回の売却で〇〇万円を納付します。残りの税金については、生活再建後に分割で納付します」という具体的な計画を提示し、差押解除の承諾(内諾)を得ます。

ステップ4:売却活動と契約

役所から「解除の内諾」が得られたら、すぐに買主を探します。公売の手続きが進行している可能性があるため、時間との勝負です。買主が見つかったら売買契約を結びます。

ステップ5:決済・解除・引渡し

決済日当日、買主から支払われた代金を、事前に決めた配分案通りに銀行と役所へ振り分けます。 入金確認後、役所から「差押解除証書」を受け取り、その場で法務局へ登記抹消を申請します。これで晴れて「きれいな状態」で買主に物件を引き渡せます。

【事例】税金滞納による差押えから任意売却で解決したケース

解決事例イメージ

当協会にご相談いただいたA様(自営業)の事例を紹介します。

【状況】 事業の悪化により住民税と固定資産税を滞納し、市役所から自宅を差し押さえられました。「来月までに全額払わなければ公売の手続きに入る」と通告されていましたが、住宅ローンの返済も残っており、一括納付は不可能な状態でした。

【解決策】 当協会の担当者が間に入り、まず住宅ローン債権者と交渉して、売却代金から30万円を「差押解除料」として捻出する承諾を得ました。 その上で市役所に対し、「公売で安く売られるより、任意売却で30万円を即時納付し、残りを分割払いにする計画」を提示。粘り強い説得の末、差押解除に応じてもらえました。

【結果】 無事に市場価格に近い金額で売却が成立。A様は引越し費用も確保でき、残った税金は無理のない範囲での分割払いで合意できました。

> この事例の詳細を見る

まとめ:差押通知が届いたら、すぐに交渉を

早めの相談が鍵

税金で差し押さえられた物件でも、任意売却で解決する道は残されています。しかし、それは「役所との解除交渉」が成功した場合に限られます。

役所相手の交渉は、専門知識と経験がなければ門前払いにされることも珍しくありません。また、公売の手続きが進んでしまうと、交渉の余地すらなくなってしまいます。

差押通知は「家を失う直前のサイン」です。手遅れになる前に、税金滞納案件の実績が豊富な専門家にご相談ください。

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