親の住宅ローンは子が払う義務がある?ケース別の対処法を詳しく紹介
更新日 2025-08-29
「親の住宅ローン返済が残っているけれど、この先大丈夫だろうか」
「もし親が返せなくなったら、子である自分が支払う義務はあるのだろうか」
親が高齢になり、上記のような不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの返済が困難になったとき、子は支払いを肩代わりする必要があるのでしょうか。親を助けたい気持ちはあっても、家計やライフプランの影響を考えると、簡単に決断できない問題です。
原則として、子が支払う法的な義務はありません。しかし、連帯保証人になっている場合や相続が発生した場合など、支払う義務が生じるケースもあります。
この記事では、親の住宅ローンを子が支払う義務の有無に応じた具体的なケースや対処法を解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてください。
親の住宅ローンを子が払う必要はある?
親が契約した住宅ローンを子が支払う法的な義務は原則としてありません。基本的に住宅ローンの返済義務は、契約者である親本人にあります。親子関係を理由として、返済義務が子へ自動的に引き継がれるわけではありません。
しかし、例外的に子が親の住宅ローンを支払う必要が生じるケースも状況次第で存在します。ただし例外として、次のようなケースでは義務が生じます。
- 子が親の住宅ローンの「連帯保証人」
- 亡くなった親のローンが残った家を「相続」
- 「親子リレーローン」を組んでいる
ご自身の状況がどのケースに当てはまるのか、契約内容の正確な把握が重要です。
また、親の介護や経済状況の変化から、子が自主的に返済を支援するケースが増えています。ただし親子間での資金援助になると、贈与税が発生する可能性があるため、慎重に対応しましょう。
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親の住宅ローンを子が払う義務が生じる3つのケース
子が親の住宅ローンを支払う義務が発生する代表的な3つのケースを解説します。それぞれのケースについて見ていきましょう。
住宅ローンの連帯保証人
親が契約した住宅ローンの連帯保証人に子がなっている場合は、債務者と同等の返済責任を法的に負います。債務者である親が延滞した場合、金融機関は親への請求と同時に連帯保証人である子へ請求が可能です。
連帯保証人になっているかどうかは、住宅ローン契約書の控えで確認できます。もし契約書の控えが見当たらない、あるいは記憶が曖昧な場合は、信用情報機関への情報開示請求で保証契約の有無や内容を調べましょう。
相続して住宅ローンを承継
親から家を相続すると住宅ローンの残債も法律上引き継ぎます。相続は資産だけでなく負債もすべて受け継ぐのが原則であるためです。
例えば、家の評価額が資産より住宅ローン残高が上回る場合、住宅ローン返済も引き継がなければなりません。ただし、相続放棄を選択すれば、家も住宅ローンも引き継がずに回避できます。
親子リレーローンで借入
親子リレーローンを契約して住宅を購入した場合、子は返済を引き継ぐ必要があります。親子リレーローンとは親が債務者として返済を進め、定年退職などのタイミングで子が返済を引き継いで返済していく仕組みの商品です。
また審査では、親世代の収入と子世代の収入を合算するため、有利に働くこともあります。
子が払う必要がないケース
親の住宅ローンに対し、子が支払い義務を負わずに済むケースを紹介します。具体的なケースを見ていきましょう。
団信で完済
多くの住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられています。親が加入していれば、親の死亡や所定の高度障害状態になった際に住宅ローンが完済されます。
団信は、契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローン残高が完済される仕組みの保険です。多くの住宅ローンでは加入が義務付けられています。
団信が適用されると、住宅ローンはすべて弁済されるため、子は返済義務を引き継ぎません。もし相続した場合、住宅ローン残高がない不動産を相続できます。
ただし、親が住宅ローンを滞納していた場合、団信の契約が失効している可能性があるため、契約が有効な状態かを確認しましょう。
債務を相続放棄
相続放棄を行えば、住宅ローンの支払い義務を回避できます。相続放棄は亡くなった親の財産と負債のすべてに対し、相続する権利を放棄する手続きです。法的に初めから相続人ではなかったとみなされるため、住宅ローンの返済義務は一切なくなります。
相続放棄の選択は、次のケースで考えられます。
- 住宅ローンの支払いが困難な場合
- 家の資産価値よりもローン残高が多い「オーバーローン」の状態である場合
ただし、相続放棄すると、家や預貯金といったプラスの財産も含め、すべて相続できなくなるため注意が必要です。
また、相続放棄の手続きは、原則として「相続の開始を知ったときから3か月以内」に家庭裁判所で手続きしなければなりません。手続き期間が短いため、早めに財産調査を行い、慎重に判断しましょう。
参考:最高裁判所|相続の放棄の申述
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義務はないが子が支援する場合の方法
子が自主的に親の住宅ローン返済を支援するための具体的に2つの方法があります。ご自身の家庭状況にあった最適な方法を選択する参考にしてみてください。
資金援助
子が親に資金を渡して住宅ローン返済を支援する直接的な方法です。親が退職により収入が減少し、老後資金だけでは返済が厳しくなり、仕送りなどで援助開始するケースが多くあります。
子が親と同居しているかどうかに関わらず行える、シンプルな支援策です。ただし、子が親のローン返済を実質的に支払う行為は、「親が子から金銭的な利益を受けた」と税法上みなされる可能性があります。みなし贈与税として課税対象になる可能性があるため、注意が必要です。
年間の贈与額が110万円までは基礎控除額があるため、計画的な資金援助を意識しましょう。
同居している子への親族間売買による借り換え
親から子が家を正式に買い取り、子が新たに住宅ローンを組む親族間売買があります。親子間で売買契約を結び、代金の支払いと所有権の移転登記する方法です。
子が所有者になるため、将来的な相続トラブルを防げるうえ、同居している場合は住み続けられる大きなメリットがあります。
ただし、親族間売買で住宅ローンを利用する場合、金融機関の審査は通常より厳しくなる傾向があります。贈与目的の売買を疑われやすいため、売買価格が周辺相場より著しく安い場合は、みなし贈与と判断されかねません。
親子間での不動産売買について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:任意売却は親子でもできる?親族間売買のメリット、デメリットも解説
住む予定がない家の住宅ローンを解決する2つの方法
子が自宅をそのままにして実家を維持したくない場合、親の住宅ローンが残る実家の対処は大きな課題です。国土交通省の調査によると、相続による空き家取得が55%であり、所有者の3割は遠隔地に居住している実態があります。
ここでは、住む予定がない実家を手放して住宅ローンを解決する方法を紹介します。
参考:国土交通省|令和4年10月 空き家政策の現状と課題及び検討の方向性
任意売却
住宅ローンが残っている自宅を、すべての債権者の合意を得て売却する方法です。競売にかけられる前に市場価格に近い金額で売却でき、市場価格の8〜9割で売却できます。売却後の残債については、金融機関と返済方法を交渉できる点も特徴です。
親は家を手放す必要がありますが、家賃を抑えた新居へ移ることができ、生活の立て直しができます。
任意売却を詳しく理解したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:任意売却とは?メリット・デメリットや競売との違いをわかりやすく解説!
リースバック
リースバックは、自宅を第三者へ売却したあと、購入者と物件を賃貸契約して住み続ける方法です。親は引っ越すことなく住み慣れた家に住み続けられ、売却代金で住宅ローンを完済できます。また、家の維持コストも減るため、親の経済的負担は大幅に軽減されます。
親が亡くなったあとは、退去手続きのみで相続や不動産売却の手間がかかりません。実家の処分や管理に悩む負担も減り、遠方やマイホームに住んでいる子がいる場合に有効な手段です。
リースバックについては以下の記事で解説しているので、読んでみてください。
関連記事:任意売却とリースバックの違いとは?仕組み・メリット・活用法を徹底解説
親の住宅ローンを子が払うケースでよくある質問
親の住宅ローンに関する問題は複雑であるため、多くの方が同じような疑問を抱えています。ここでは、よく寄せられる質問と回答を見ていきましょう。
親の住宅ローンを子が払うと税金はかかりますか?
贈与税がかかる可能性があります。主なケースは、以下のとおりです。
- 肩代わりすると贈与税の対象となる可能性がある
- 親族間売買でも価格が不適正だとみなし贈与となる
税務上のリスクがあるため、事前に税理士への相談がおすすめです。
親子リレーローンで親が死亡したらどうなる?
親子リレーローンの多くは、団信への加入が子のみとなっているため、親が亡くなっても残っている住宅ローンはそのまま継続され、子が引き継いで返済する必要があります。子は当初の予定より早く、親の返済分も含めて住宅ローン返済を開始します。
親の返済期間中に親が亡くなると子の生活に影響が大きくなるため、団信の加入範囲や保険の有無を確認し、万が一に備えましょう。親子リレーローンを契約する際は、リスクを十分に理解したうえで判断しましょう。
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まとめ:まずは早めにご相談を
親の住宅ローンを子が払う義務は原則ありません。例外的に連帯保証人や相続、親子リレーローンの場合は支払い義務が生じます。また、住む予定のない実家は空き家問題につながる可能性があり、任意売却やリースバックといった方法が有効です。
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