競落(けいらく)とは、競売において競り勝った人が、その物件の権利(所有権など)を取得することです。
※現在は法律用語としては「売却」という言葉に変わりましたが、実務や慣習として「競落」という言葉が使われ続けています。
不動産競売(けいばい)の場において、最も高い価格を入札し、裁判所から許可を得てその物件を買い受けることを指します。
一般の不動産取引でいう「購入」や「成約」に近い意味合いですが、裁判所が介在する強制的な手続きである点が異なります。
「競落」と「落札」の違いは?
よく似た言葉に「落札(らくさつ)」がありますが、厳密にはニュアンスが異なります。 競売の初心者の方が混乱しやすいポイントですので、以下の表で整理します。
| 用語 | 競落(けいらく) |
|---|---|
| 意味 | 競り勝って、権利を取得すること(法的・結果重視) |
| 使われる場面 | 不動産競売(裁判所案件)、法律文書、専門家の会話 |
| 対義語 | 落札(らくさつ) ※一般オークションなどで広く使われる言葉 |
現在の民事執行法では、競落した人のことを「買受人(かいうけにん)」と呼びます。 古い書類やベテランの業者の会話では「競落人(けいらくにん)」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。
競落から所有権取得までの流れ
「競落した(最高値で入札した)」だけでは、すぐにその家の主になれるわけではありません。
実際に自分のものになるまでには、以下のステップが必要です。
入札期間が終了し、裁判所で入札箱が開けられます。ここで最高価格をつけた人が「最高価買受申出人」となります。
開札から約1週間後、裁判所が「この人に売っても問題ない」という最終許可を出します。
(※ここで許可が出た時点を狭義の「競落」と呼ぶこともあります)
決められた期限内(通常約1ヶ月以内)に、残りの代金を裁判所に一括で支払います。
代金を納付した瞬間に、法的に所有権があなたに移ります。登記の手続きは裁判所が職権(自動)で行ってくれます。
競落にかかる費用とリスク
必要な費用
物件そのものの価格(入札額)以外にも、以下の費用を準備しておく必要があります。
- 登録免許税:所有権移転登記にかかる税金。
- 不動産取得税:不動産を取得した際にかかる地方税。
- 滞納管理費など:マンションの場合、前所有者が滞納していた管理費・修繕積立金は、競落人(新しい所有者)が引き継いで支払う義務があります。
注意すべきリスク
競落物件には、一般の市場物件とは異なる「引き渡しの難しさ」があります。
- 占有者の存在: 前の所有者が居座っている場合、立ち退き交渉や強制執行の手続きが必要になることがあります。
- 瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)がない: 買った後に雨漏りやシロアリが見つかっても、誰にも文句は言えません。
まとめ
「競落」とは、競売で物件を勝ち取り権利を得ることです。現在は法律用語としては使われなくなっていますが、不動産業界では現役の言葉です。
通常の購入とは違い、「競落した後」の手続きやリスク管理が非常に重要になります。入札に参加する際は、代金納付のスケジュールや、リフォーム費用・立ち退き費用まで計算に入れておくことが成功の鍵です。