物上保証(ぶつじょうほしょう)
物上保証とは、第三者の借入れや債務を担保するために、自分の財産に抵当権や質権を設定することを指します。この場合、担保を提供する人を「物上保証人(ぶつじょうほしょうにん)」と呼びます。
物上保証人は、債務の直接的な返済義務は負いません。しかし、債務者が返済できなくなった場合には、提供した担保が差し押さえられ、競売などで売却されることで、債務が弁済に充てられることになります。
物上保証の特徴
連帯保証人とは異なる
物上保証人は、提供した担保の範囲内でのみ責任を負い、担保を処分した後に債務が残っていても、それ以上の支払い義務はありません。一方で、連帯保証人は債務の全額を保証するため、担保以外の財産も差し押さえの対象となる可能性があります。
事業資金調達に多い
物上保証は住宅ローンではあまり見られませんが、中小企業や個人事業主の資金調達の際に多く利用されます。たとえば、事業主が金融機関から借入れをする際に、自身の不動産だけでは担保価値が不足する場合、親族や知人の不動産を担保として提供してもらうケースがあります。
ワンポイント
物上保証人は直接の返済義務は負いませんが、提供した担保が競売にかけられるリスクがあります。特に事業資金調達で利用されることが多く、慎重な判断が必要です。