住宅ローンの催告書が届いたら要注意!督促状との違いや初動、対処法を解説
更新日 2026-02-26

「督促状との違いは何だろう」
「このまま家を追い出されるのは避けたい」
これまで届いていた督促状と違う封筒を前に、これからどうなるのか不安になる方は多いのではないでしょうか。
催告書は入金を促していた督促状と異なり、銀行側が競売を見据えた法的手続きへ移行する通知です。放置しないで正しい初動を取れば、競売を回避できます。
本記事では、催告書の持つ意味と今すぐ取るべき動き、競売を回避できる選択肢などを解説します。催告書が届き、どうしていいか迷っている方は参考にしてください。
住宅ローンの「催告書」とは?督促状との違い
住宅ローンの「催告書」とは、滞納が続いた場合に金融機関から届く法的手続き前の事前通知です。
これまで届いていた督促状とは緊急性が異なり、放置すれば取り返しのつかない事態になりかねません。ここでは、催告書が持つ法的な意味と、督促状との違いについて詳しく解説します。
催告書は「法的措置に向けた通知」
催告書は、銀行が裁判所を通した法的手続きである競売を含めた準備に入ったことを通知する書類です。
一般的に内容証明郵便で届き、郵便局が「いつ、誰が、どんな内容を送ったか」を公的に証明してくれるため、裁判となった際の証拠として使われます。
つまり、銀行側はすでに事務的な回収業務から、法的手続きに向けた回収業務へとシフトしています。催告書は分割払いの権利である期限の利益を失う一歩手前の状態です。
【比較表あり】督促状と催告書の違い
督促状と催告書の主な違いは、表のとおりです。
| 項目 | 督促状 | 催告書 |
|---|---|---|
| 届く時期 | 滞納1〜2ヶ月目 | 滞納3〜6ヶ月目 |
| 郵便の種類 | 普通郵便やハガキ | 内容証明郵便(書留) |
| 文面の雰囲気 | 事務的な入金を促す文面 | 入金に対する厳しい文面 法的用語が並ぶ |
督促状はあくまで支払いの遅れを知らせる目的ですが、催告書は法的措置に向けた警告でもある厳しい文面になります。
催告書を放置するとどうなる?今から競売までの流れ
催告書を無視し続けると、最終的には自宅が競売にかけられ、強制的に退去させられます。催告書が届いてから競売に至るまでの時系列は以下のとおりです。
- 期限の利益喪失通知が届き、一括請求される
- 代位弁済が行われ、債権者が変わる
- 競売開始決定の通知が届く
- 期間入札が始まり、強制退去となる
それぞれの内容を見ていきましょう。
【1〜2ヶ月後】期限の利益喪失通知が届いて一括請求される
催告書が届いた後も滞納が続くと、「期限の利益喪失通知」が届きます。分割払いできる権利である期限の利益が失われたことを知らせる通知です。
通知が届いた時点で、住宅ローンの残高すべてと遅延損害金を合わせた全額を一括で支払う義務が生じます。一括返済ができない場合、保証会社による代位弁済や競売手続きへと進みます。
【2〜3ヶ月後】代位弁済が行われる
代位弁済は、債務者が一括返済できない場合、保証会社が債務者に代わって銀行へ借入残高を全額返済する手続きです。
銀行との契約関係は終了しますが、借金自体がなくなるわけではありません。債権者が銀行から保証会社や債権回収会社(サービサー)へと移行しただけです。今後は回収業務のプロにより、事務的な回収が進められます。
回収が進まなければ、裁判所へ競売手続きを申し立てられる可能性が高いでしょう。
【4ヶ月後〜】競売開始決定の通知が届く
債権者が裁判所に競売を申し立てると、受理した裁判所から「競売開始決定通知書」が届きます。通知が届くと同時に自宅は差し押さえられ、所有者の意思で勝手に売却や処分ができなくなるのです。
裁判所の指定したスケジュールで手続きが進み、現況調査として物件の調査や写真撮影が行われます。
【最終段階】期間入札が始まり、最終的に強制退去となる
現況調査が完了して物件情報がまとまると、「期間入札通知書」が届き、購入希望者による入札が開始されます。他の解決策を検討していても、入札期日になると、競売の取り下げは困難です。
落札者により代金が納付されると、自宅の所有権は落札者に移転されます。引き渡しになっても退去に応じない場合は、最終的には強制執行により、住み慣れた家から退去させられてしまいます。
催告書が届いた直後にすべき初動
催告書が届いた際は、すぐ開封して内容を確認しましょう。一括返済が難しい場合は、速やかに対処する必要があります。
催告書が届いた段階では、銀行へ待ってもらうよう頼むだけでは、解決が難しい状況です。催告書が届くまで延滞が続いており、具体的な解決策の提案が欠かせません。
親族などからの支援で返済が可能であれば、できるだけ早く返済しましょう。依然として返済が困難な場合、任意売却や債務整理などを検討する必要があります。
放置したままでは、競売による強制退去になりかねないため、任意売却の専門家や不動産会社、弁護士などへの相談が不可欠です。
催告書が届いた後のNG行動
催告書が届いても焦らずに行動することが大切です。ここでは、避けるべきNG行動について解説します。
消費者金融やカードローンでの借金によって返済する
滞納している住宅ローンを、消費者金融やカードローンでの新たな借金で返済しないようにしましょう。一時的な返済につながっても、多重債務に陥るきっかけとなるためです。
一般的に消費者金融やカードローンの金利は住宅ローンよりも高く設定されています。返済資金の確保ができないまま借金を重ねると、返済負担が重くなり、翌月以降も資金不足に陥りかねません。その結果、雪だるま式に借金が膨れてしまいます。
多重債務のリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:住宅ローン滞納地獄の末路とは?競売までの全流れと多重債務でもできる解決策を解説
銀行や保証会社からの連絡を無視し続ける
返済ができない後ろめたさから、銀行からの電話や郵便物を無視し続けてしまうことは避けましょう。連絡をしないまま放置すると、銀行側は「返済する意思がない」「誠意がない」と判断し、競売に向けた手続きを進めてしまいます。
話し合いによって解決できる余地があっても、無視を続けることは、自分に有利な解決策を選ぶ機会を自ら放棄していることになります。返済が困難であっても、連絡を無視せず誠実に対応することが重要です。
住宅ローンの滞納で「競売」だけは避けるべき3つの理由
競売を避けるべき主な理由は、次の3点です。
- 市場価格よりも5〜6割の低い価格で落札される
- プライバシーの情報が公開され、周囲に知られるリスクがある
- 売却後についての交渉が難しくなる
それぞれの内容について解説します。
市場価格よりも5〜6割の低い価格で落札される
デメリットの一つは、売却価格が市場価格より大きく低くなる点です。競売での落札価格は市場価格の5〜6割程度になります。
競売物件は内覧ができないなど購入者にとってのリスクが高いため、安価でなければ入札されにくいためです。自宅を失ったにもかかわらず、多額の残債を抱えたままになり、競売後の生活再建が困難になります。
プライバシーの情報が公開され、周囲に知られるリスクがある
競売の手続きが進むと、インターネット上の「BIT(不動産競売物件情報サイト)」や新聞などで物件情報が一般公開されます。住所や建物の外観写真、室内の様子などが掲載され、誰でも閲覧可能です。
また、入札開始前には現況調査が行われたり、不動産業者が下見に来たりします。その結果、近隣住民や職場などに「家が競売にかけられている」という事情が知られてしまうのです。
プライバシーが守られない環境下での生活は、精神的に大きな負担となりかねません。
売却後についての交渉が難しくなる
競売で自宅が売却されても、ローン全額を完済できるケースは少ない傾向です。多くの場合は残債が残り、原則として一括返済を求められます。
競売後の回収は厳格に行われることが多く、交渉の余地は、ほとんどありません。もし残債の請求に対応できなければ、給与や銀行口座の差し押さえといった強制執行を受けるリスクが高まり、生活の再建が厳しくなります。
住宅ローンを返済できない場合の対処法!競売を回避する4つの選択肢
住宅ローンを返済できない状態が続いても、競売を回避できる選択肢が4つあります。
- リスケジュール
- 任意売却
- 個人再生
- リースバック
それぞれの内容を見ていきましょう。
リスケジュール:金融機関へ返済条件を変更して支払負担を軽減できる
リスケジュールとは、金融機関に相談して返済条件を変更してもらうことです。具体的には、次のような方法があります。
- 元金の返済猶予
- 返済額の減額
- 返済期限の延長
一時的に元金の返済を据え置いたり、月々の返済を減額したりすることで返済負担を軽減できます。
しかし、催告書が届く段階では、銀行に交渉を認めてもらうのは厳しい状況です。
家計の徹底的な見直しを行い、実現可能な返済計画を提示することで、交渉のテーブルについてもらえるように取り組みましょう。
任意売却:市場価格に近い価格で売却できる
任意売却とは、債権者など関係するすべての人から合意を得て、一般の市場価格に近い金額で不動産を売却する方法です。
市場価格より買い叩かれる競売とは異なり、市場価格の7〜8割で売却できるため、売却後の残債を大きく減らせます。また、引越し費用の確保や残債の返済方法を交渉できり点は、生活再建に向けたメリットです。
さらに、物件情報の公開や周囲に知られるような動きがなく、プライバシーを保護できます。
個人再生:家を残せる可能性がある
個人再生は、裁判所を通じた手続きにより、住宅ローン以外の借金を大幅に減額する債務整理の方法です。
「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すれば、住宅ローンは支払い続け、他のカードローンなどの借金を整理できます。
ただし、利用には「継続的で安定した収入があること」などの条件があり、手続きも複雑なため、弁護士などの専門家によるサポートが欠かせません。
リースバック:売却後も賃貸契約して住める
リースバックとは不動産会社や投資家に自宅を買い取ってもらい、売却後は買主と賃貸借契約を結んで、家賃を払いながら同じ家に住み続ける方法です。
売却しても引越しをする必要がないため、引越し費用の負担がなく、子どもの転校など生活環境の変化も避けられます。
契約内容によっては、将来的に資金の準備ができれば、売却した自宅を買い戻す特約を付けることも可能です。
住宅ローンの催告書に関するよくある質問
住宅ローンの催告書に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
Q.督促状や催告書が届いた状態でローン審査は通らない?
催告書が届く段階では、個人信用情報機関に事故情報が登録されている可能性が高いため、新たなローンの審査には、ほぼ通過できません。
住宅ローンに限らず、クレジットカードの作成や新規の借入全般が困難になります。信用情報が回復するには、完済や時効の成立から5〜10年程度の期間が必要です。
Q.住宅ローンの滞納は何回まで大丈夫?
何回までなら大丈夫という明確な基準はありません。たった1回の滞納でも電話やハガキによる連絡は行われます。また、過去に滞納を繰り返している場合は、1回の滞納であっても厳しい対応を取られかねません。
回数を気にするのではなく、滞納してしまう時点ですぐに金融機関へ連絡を入れて今後についての相談が重要です。
まとめ:催告書が届いたら手遅れになる前にまずは早めにご相談を
催告書が届いたということは、金融機関が法的手続きの準備を見据えていると言えます。放置したままでは、段階的に手続きが進み、競売を経て強制退去という結末になりかねません。
リスケジュールの対応が厳しくても、任意売却や債務整理といった専門的な手続きであれば、生活を再建できる可能性は十分にあります。
競売を回避し、少しでも有利な条件を得る解決策を選択するためには早めの相談が欠かせません。まずは、当協会(一般社団法人全国任意売却協会)の無料相談をご利用ください。
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