窃盗事件を起こし、競売を避けるため任意売却を相談に
- エリア栃木県宇都宮市
- 職業不明
- 家族なし
- 物件種別戸建
- 残債1,580万円
- 売却価格1,680万円
宇都宮市にお住まいのKさんは、窃盗事件を起こし、警察に留置されていました。経済的な理由で生活が苦しくなり、お金に困って自宅周辺の留守宅を狙う窃盗事件を30件近くも起こしてしまったそうです。
やがて、「刑期を終えても自宅には戻れない」と考えたKさんは、国選弁護人を通じて「家を売却したい」と私たちにご連絡くださいました。
住宅ローンの返済はすでに5ヶ月も滞納しており、このままでは競売になってしまうと、かなりの借金が残ってしまう状況でした。そこで、競売を避け、借金を完済したいというご希望を伺いました。
任意売却をご提案、買い手の理解も得られ解決に
難易度
★★★ご提案内容と解決方法
ご本人が留置されている状態でしたので、私たちはKさんに直接会い、本人確認や必要書類の準備を進めました。私は以前にも刑務所や留置所での対応経験があったため、書類にホチキスの針や付箋が持ち込めないことを知っていたので、スムーズに面談を進めることができました。
何度か面談を重ねて委任状をいただき、建物の中にある家財道具の処分を行いました。
ご自宅には、近隣の方々が貼った「犯罪者」と書かれた貼り紙がたくさん貼られており、正直、買い手が見つかるか不安になりました。しかし、私たちは買い手の方に事情をすべて説明し、ご理解いただいた上で、購入してもらうことができました。
今回の事例のポイント
この事例のポイントは、ご本人が留置中という特殊な状況での任意売却です。通常の手続きとは異なり、直接面会して手続きを進める必要があるため、豊富な経験と知識が不可欠となります。
また、近隣の住民からの風評被害により、物件の売却が困難になる可能性がありました。しかし、買い手の方に事情を丁寧に説明し、誠実に対応することで、買主様のご理解を得て、売却を成立させることができました。
解決後は借金もなくなり、新生活をスタート
Kさんの借金は、元金、利息、延滞損害金を含めて1,580万円ありました。しかし、ご自宅を1,680万円で売却することができたため、借金が残ることなくすべて完済することができました。
もし、国選弁護人の方から私たちにご相談がなければ、そのまま競売になってしまい、借金が多額に残ってしまっていたでしょう。
「住む場所を失い、家族を失い、罪を犯してしまい、先が見えない人生になってしまいましたが、弁護人や御社に相談して、競売ではなく任意売却ができたことに感謝したいです」と、おっしゃっていたKさん。「この先、罪を償って反省し、社会復帰したい」と、力強く語っていただきました。
ご自宅に貼られたたくさんの貼り紙を見て、売却は難しいかと思いましたが、買い手の方のご理解もあり、無事に解決することができました。私たちも、Kさんがこれから社会復帰に向けて頑張っていかれることを応援しています。