劣後ローン(れつごろーん)
劣後ローンとは、返済の優先順位が一般の債権よりも低い無担保の融資を指し、「劣後特約付きローン」や「ハイブリッドローン」とも呼ばれます。企業が経営破綻した場合、通常の債権者への弁済が完了した後に、残った資産があれば返済が行われる仕組みです。そのため、貸し手にとっては貸し倒れリスクが高いものの、金利が高めに設定されるというメリットがあります。 また、劣後ローンは事実上、破綻時の返済が不要となるため、株主資本と似た性格を持ちます。この特性から、金融機関の会計処理では調達額の一部を自己資本として認めることが可能です。日本では1990年に導入され、2000年代前半には、大手銀行が自己資本比率の向上を目的に積極的に活用しました。