競売が売れない場合はどうなる?競売不成立後の流れと解決策を解説
更新日 2025-10-01

住宅ローンを滞納してしまい、いよいよ自宅が競売にかけられるかもしれない…。そのような状況にある方は、ただでさえ不安な日々を送っていることでしょう。
しかし競売にかけられた不動産が、必ずしも売れるとは限りません。実は、競売が成立しないケースは決して珍しいことではないのです。
本記事では、競売が成立しなかった場合に何が起きるのか、その後の流れはどのようになるのかを、具体的に解説していきます。この記事を読めば、競売が不成立に終わったとしても、その後の道筋が明確になり、不安を和らげることができます。さらに、競売よりもあなたの状況を好転させる可能性のある「任意売却」という選択肢についてもご紹介します。
一人で悩まず、まずはこの記事を読んで、ご自身の状況を整理し、今後の対策を一緒に考えていきましょう。
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競売とは?競売不成立の現状とその後を解説
競売とは、住宅ローンやその他の借金を滞納した際に、債権者が裁判所に申し立てを行い、担保となっている不動産を強制的に売却する手続きのことです。競売の売却金は、債務の返済に充当されます。
競売手続きは、一般的に以下のような流れで進みます。
- 1. 住宅ローン滞納の開始:金融機関からの督促や催告書が届き始めます。
- 2. 期限の利益の喪失:滞納が続くと、債務者は住宅ローンを分割で返済する権利を失い、一括返済を求められます。
- 3. 競売の申立て:債権者が裁判所に競売を申し立てます。
- 4. 競売開始決定通知:裁判所から所有者へ競売開始決定の通知が届きます。
- 5. 現況調査:裁判所の執行官が、不動産の状況を調査します。
- 6. 期間入札:入札期間が設けられ、買いたい人が入札します。
- 7. 開札:最も高い価格を入札した人が落札者となります。
- 8. 売却許可決定:落札者が代金を納付し、所有権が移転します。
- 9. 立ち退き:所有者は、原則として落札者から立ち退きを求められます。
この流れの中で、入札期間内に買い手が見つからなかったり、最低売却価格を下回る入札しかなかったりすると、競売は成立しません。これが「競売不成立」と呼ばれる状態です。
競売が不成立となるケースは、特別なことではありません。例えば、物件の立地が悪い、権利関係が複雑である、市場環境が悪いなど、様々な理由で買い手がつかないことがあります。このような状況は、実は少なくないのが現状です。
「競売不成立」とは?
競売不成立とは、裁判所の定める期間内に入札者が見つからなかったり、入札があっても最低売却価格に達しなかったりするなど、競売の要件を満たせず、売却が成立しない状態を指します。
競売は、一般の不動産取引とは異なり、買主が物件を自由に内見したり、売主と価格交渉をしたりすることができません。そのため、買主は物件の情報を限られた範囲でしか得られず、リスクを伴う取引となります。このような特殊な事情も、競売不成立の一因となっています。
競売不成立の場合、債務者にとっては「自宅を失わずに済んだ」と一見良いことのように思えるかもしれません。しかし、競売が不成立になっても、債務がなくなるわけではありません。むしろ、解決を先送りにすることで、さらに状況が悪化してしまうリスクをはらんでいるのです。
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競売が不成立になる5つの理由
競売不成立は、いくつかの要因が複合的に絡み合って発生することが多いです。ここでは、代表的な5つの理由について解説します。
1. 入札価格が最低売却価格に達しない
競売では、事前に裁判所が不動産の評価を行い「最低売却価格」を設定します。これは、その不動産を売却する際に、最低限この金額以上でなければ売らないという価格のことです。入札があったとしても、その価格がこの最低売却価格を下回る場合は、売却は成立しません。
特に、不動産価格が下落している市場環境では、このケースが増加する傾向にあります。
2. 買い手が集まらない
競売にかけられる物件は、一般市場で流通している物件とは異なり、内覧ができないなどの制約があるため、買い手が敬遠するケースが多くあります。また、物件自体の魅力が低い場合(例:立地が悪い、築年数が古い、周辺環境が悪いなど)、入札者が集まらず、不成立となることもあります。
3. 所有権や権利関係が複雑
共有名義の不動産や、複数の抵当権が設定されている不動産、あるいは境界線が不明確な土地などは、権利関係が複雑で、買主がリスクを懸念し、入札をためらう傾向があります。権利関係を巡るトラブルに巻き込まれることを恐れ、買い手が付かないまま不成立に終わることがあります。
4. 物件に重大な瑕疵(かし)がある
競売物件は、物理的な損傷(例:雨漏り、シロアリ被害、構造上の欠陥)や、心理的瑕疵(例:過去に事件や事故があった、自殺物件)がある場合、買い手が付きにくくなります。これらの瑕疵は、裁判所の調査では完全に把握できない場合もあり、買主にとっては大きなリスクとなります。
5. 所有者による妨害行為
所有者が、競売の進行を妨害する目的で、内覧を拒否したり、物件を荒らしたり、立ち退きを拒否したりするケースも稀にあります。このような妨害行為があると、買主は物件の状況を把握できず、安心して入札することが難しくなるため、不成立の原因となります。
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競売が不成立になった後の流れを解説
「競売不成立」という結果は、一時的に自宅を失う危機を回避できたように思えるかもしれません。しかし、問題が解決したわけではありません。むしろ、新たな局面に入り、さらに解決が困難になる可能性もあります。
ここでは、競売が不成立になった後の一般的な流れを解説します。
特別売却(再入札)の実施
競売が不成立となった場合、裁判所は最低売却価格を下げて、特別売却(または再入札)という形で再度入札を募ることが一般的です。特別売却は、通常の競売とは異なり、入札期間が設けられておらず、先着順で購入希望者を募るケースもあります。
この時点でも、物件の情報は通常の競売と同様に限定的であるため、買い手が見つからない可能性も十分にあり得ます。
再々競売の可能性
特別売却でも売れなかった場合、債権者は再度、競売を申し立てることが可能です。この場合、さらに価格を下げて競売が行われることになります。
競売が繰り返されると、その度に価格は下落し、最終的に売却できても、債務の返済に充てられる金額はさらに少なくなってしまいます。また、競売手続きの長期化は、所有者にとっても精神的な負担を増大させます。
債権者との交渉
競売を繰り返しても売却できない場合、債権者側も解決策を模索せざるを得なくなります。この時点で、債権者から「任意売却」などの別の解決策を提案されることがあります。任意売却は、競売よりも高い金額で売却できる可能性が高いため、債権者にとってもメリットがあるからです。
ただし、競売が不成立になったからといって、必ずしも債権者が任意売却に応じてくれるわけではありません。あくまで債権者との交渉次第となります。
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競売の再入札(特別売却)について
競売が不成立に終わった場合、多くのケースで次に「再入札(特別売却)」が行われます。これは、最初の競売で買い手がつかなかった物件を、再度、売却する機会を設ける手続きです。
しかし、この再入札は、最初の競売よりもさらに所有者にとって不利な条件で行われることが多いため、注意が必要です。
再入札(特別売却)の流れと注意点
再入札(特別売却)は、通常の競売と同様に、裁判所を通じて行われます。しかし、通常の競売と異なるのは、最低売却価格が引き下げられる点です。引き下げ幅は物件によって異なりますが、一般的には前回の最低売却価格よりも20%程度安く設定されることが多いです。
再入札は、通常の入札期間とは異なり、特定の期間に限定せず、いつでも購入を申し込める「特別売却」という形で行われることもあります。これは、一刻も早く買い手を見つけたいという裁判所や債権者の意向が反映されたものです。
しかし、注意すべきは、この再入札でも、買い手は通常の不動産取引のように内覧をすることができないという点です。物件の詳細な状況が分からず、物理的な瑕疵や心理的瑕疵(事故物件など)のリスクを抱えることになるため、購入希望者はより慎重になります。結果として、再入札でも買い手が付かず、再び不成立に終わる可能性も十分にあります。
再入札でも売れない場合のデメリット
再入札でも売れない場合、所有者には以下のような大きなデメリットが生じます。
- 所有期間の長期化:自宅が競売にかけられてから、再入札、そしてさらに再々競売へと手続きが長引くほど、解決の目処が立たず、所有者は精神的な負担を抱え続けることになります。いつ自宅を追い出されるか分からないという不安な状況が続くことは、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
- 住宅ローン以外の債務増加:競売の手続きが長期化する間も、住宅ローンの遅延損害金や、競売に必要な諸費用、固定資産税などは増え続けます。これにより、債務の総額はどんどん膨れ上がり、最終的に競売で売却できたとしても、残債がさらに大きくなる可能性が高くなります。
競売で売却しても、その売却金では借金を完済できず、残った借金の返済を続けなければならないという状況に陥るリスクが高まります。
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なぜ特別売却や再競売を避けるべきなのか
特別売却や再競売を避けるべき最大の理由は、売却価格が下がり、残債を完済できる可能性がさらに低くなるからです。競売が繰り返されるほど、物件の価値は下落し、その結果、売却金で住宅ローンを完済できる可能性は限りなく低くなります。
また、先述の通り、手続きが長期化することで、所有期間中の精神的な負担や、債務の増加という、負のスパイラルに陥ってしまいます。
競売が不成立に終わったとしても、それは単に解決が先送りになったに過ぎません。早期に根本的な解決策を見つけることが何よりも重要です。
競売を避けて解決!任意売却という選択肢
競売を避けて問題を解決する方法として、最も有効なのが「任意売却」です。任意売却とは、住宅ローンを滞納している債務者が、債権者(金融機関など)の合意を得て、担保となっている不動産を一般市場で売却する方法です。
任意売却とは?競売との違いとメリット
任意売却は、競売と同様に自宅を手放すことになりますが、競売にはない多くのメリットがあります。
- 価格:任意売却は、一般市場で買主を募るため、競売よりも高い金額で売却できる可能性が非常に高いです。市場価格に近い価格で売却できれば、住宅ローンの残債をより多く減らすことができます。
- プライバシー:競売は、裁判所のホームページなどで物件情報が公開されてしまいます。近所の人に競売にかけられたことを知られるリスクがありますが、任意売却は通常の不動産取引と同じように進められるため、プライバシーが守られます。
- 手残り:競売では、原則として手元に現金が残りませんが、任意売却では、債権者との交渉により、引っ越し費用や当面の生活費を売却代金から捻出できる可能性があります。
- 交渉の余地:任意売却では、債権者との間で残債の返済方法について柔軟に交渉することができます。売却後に無理のない範囲で返済できるような計画を立てることも可能です。
競売が「強制的な売却」であるのに対し、任意売却は「自分の意思で進められる売却」と言えるでしょう。競売よりもはるかに有利な条件で、問題を解決へと導くことができます。
関連記事:任意売却とは?メリット・デメリットや競売との違いをわかりやすく解説!
任意売却で失敗しないためのポイントとデメリット
任意売却は、競売よりも有利な解決策ですが、成功させるためにはいくつかのポイントがあります。
- 信頼できる専門家を見つける:任意売却は、債権者との交渉や複雑な手続きが必要となるため、個人で進めるのは非常に困難です。任意売却に特化した専門家や、実績豊富な不動産会社に相談することが、成功の鍵となります。彼らは、あなたの状況を正確に把握し、債権者との交渉を代行してくれます。
- 早めの相談:任意売却は、競売の開札日までに売却を完了させる必要があるため、時間との勝負になります。競売開始決定通知が届いたら、すぐに専門家に相談することが不可欠です。時間が経てば経つほど、選択肢が狭まり、任意売却が成立しない可能性が高くなります。
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競売が売れない状況から抜け出すための専門家への相談
競売が不成立に終わったとしても、決して諦める必要はありません。しかし、競売の手続きは非常に複雑で、個人で対応するには限界があります。このような状況から抜け出すためには、専門家への相談が不可欠です。
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なぜ専門家への相談が重要なのか
競売や任意売却は、法律や不動産、金融に関する専門的な知識が必要な手続きです。専門家は、債権者との交渉や、売却手続きをあなたの代わりに進めることができます。また、あなたの状況を客観的に判断し、競売よりも有利な「任意売却」という選択肢を提示することで、問題を根本から解決へと導くことができます。
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まとめ:競売が売れなくても解決策はある
本記事では、競売が不成立になった場合どうなるのか、その後の流れと解決策について解説しました。
競売にかけられた不動産が売れなかったとしても、それは決して問題が解決したわけではありません。むしろ、解決を先送りにすることで、さらに状況が悪化してしまうリスクをはらんでいます。
しかし、競売が不成立になったからといって、絶望する必要はありません。競売よりもはるかに有利な条件で問題を解決できる「任意売却」という選択肢が存在します。
当サイトを運営する一般社団法人 全国任意売却協会では、状況に合わせた的確なアドバイスとサポートを提供しています。お気軽にご相談ください。
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