「ゆとりローン」の落とし穴。定年後に膨らんだ返済負担から任意売却で脱出したケース
ゆとりローンの返済増と定年後の収入減が重なり、家計が破綻寸前に
- エリア神奈川県川崎市
- 職業年金受給(定年退職)
- 家族—
- 物件種別マンション(新築購入)
- 残債—
- 売却価格—
Tさんは40代で新築マンションを購入。当時主流だった「ゆとりローン」を利用し、当初は金利のみの支払いで月々の負担も少なく、「これなら大丈夫」と安心して返済を続けていました。
しかし返済が本格化すると月20万円超の支払いに加え、管理費なども含め毎月24万円という重い負担に。定年後に収入が激減し、生活費をカードローンで補うようになってからは自転車操業となり、限界を迎えて当協会にご相談されました。
任意売却と債務整理を同時に進行、競売を回避し生活再建へ
難易度
★★★ご提案内容と解決方法
ご年齢や収入状況から好転は難しいと判断し、早期に任意売却の手続きをご提案。競売にかけられる前に引越し費用の確保を優先しながら、売却活動を進めました。
あわせて、カードローンによる多重債務も深刻だったため、自己破産も視野に入れた弁護士との面談を設定。住宅問題にとどまらず、全体の債務整理を視野に入れて総合的な支援を行いました。
今回の事例のポイント
このケースの最大の教訓は、「ゆとりローン」の構造リスクです。初期の負担が軽いため契約時は安心しやすい反面、元金返済開始後に一気に家計を圧迫する構造となっています。
さらに、生活費をカードローンで補ってしまうと、借金が重なり深刻な多重債務に発展しやすくなります。早期に相談されたことで、Tさんは任意売却と債務整理を並行して進め、再出発への一歩を踏み出されました。
分割返済と法的整理で支払いの負担軽減、再建へ向け準備中
任意売却後も住宅ローンの一部が残りましたが、債権者と話し合い、月1万円以下の分割返済に合意。生活への圧迫感は大きく軽減されました。
カードローンの支払いについても、今後は法的整理を検討する予定で、生活再建に向けた基盤づくりが進んでいます。高額返済から解放され、Tさんは「ようやく落ち着いた生活に戻れそうです」と前向きな言葉を口にされています。
ご相談は全国から無料で受付中!
今回の担当者
瀧 基洋
得意分野 |
|
資格 |
|
宅地建物取引主任者試験の合格をきっかけに不動産業界に就職しました。 これまで分譲住宅の新築販売、中古住宅の仲介業務、分譲住宅の土地仕入、開発業務等を中心に経験をしてまいりました。不動産業務に従事した頃はバブル経済が崩壊し、不動産価格の下落、企業破綻等を身近で経験をしてまいりました。事業破綻により住宅ローンの返済が出来ないというお客様からのご相談を受け、任意売却に取り組んだのが、私がこの業務に携わるきっかけでした。昨今ではコロナ禍での住宅ローンの返済変更(リスケジュール)からの通常返済に戻ってしまい返済が滞る事案が急増しているように感じます。それらさまざまな住宅ローン問題のアドバイスを行い皆様のお力になりたいと思います。